ジムニーノマドが大人気がゆえにジムニーとシエラの納期が短縮! 「それでも5ドア」か「3ドアでも満足」かジムニーシリーズの選び方指南 (2/2ページ)

使用状況にあわせたセレクトができるジムニーシリーズ

 軽自動車のジムニーは、まず税金が安くセカンドカーとしても使いやすい。価格も割安で、装備の充実したXCでも4速ATが200万2000円だ。ジムニーの車両重量は4速ATでも1050kgに収まり、軽快な運転感覚も特徴になる。エンジン排気量が660ccだから、ターボを装着してもパワー不足を感じる場面はあるが、そこを上手に走らせるのもジムニーの楽しさだ。

 ジムニーシエラは、ジムニーと同じボディを使いながら、直列4気筒1.5リッターエンジンの搭載で実用回転域の駆動力が向上する。最高出力は102馬力、最大トルクは13.3kg-mだから、ジムニーの64馬力・9.8kg-mに比べると市街地から高速道路まで運転しやすい。小型車サイズのボディにより、トレッド(左右のホイールの間隔)も広がり、走行安定性と乗り心地も改善される。

 そのために、ジムニーシエラは高速道路や峠道を走る長距離ドライブにも対応できる。実用回転域の駆動力が高いエンジンは、悪路の走破でもメリットになる。ジムニーXCに相当するジムニーシエラJCの価格は4速ATが218万3500円だ。外装パーツも変更しながら、ジムニーと比べたときの価格アップを約18万円に抑えた。

 ジムニーノマドは、全長とホイールベース(前輪と後輪の間隔)をジムニーシエラに比べて各340mm拡大した5ドアボディだ。後席の足もと空間と荷室が広く、後席の座り心地も上質だ。3ドアボディのジムニーとジムニーシエラは、基本的に2名以内の乗車で使うが、ジムニーノマドなら3名以上にも適する。

 しかも、ジムニーノマドの4速ATでは、定速走行装置のクルーズコントロールが車間距離を自動制御できるアダプティブタイプに上級化される。後退時のブレーキサポートや後方誤発進抑制機能も加わる。リヤフォグランプや荷室のランプも加えた。ジムニーノマドでは、LEDヘッドライトのオートレベリングがマニュアルに簡略化されているが、装備の充実度は総じてジムニーシエラよりも高い。

 ジムニーノマドFCの価格は、4速ATが275万円だ。ジムニーシエラJCの4速ATよりも56万6500円高いが、前述の装備を補正した実質価格差は約40万円に縮まる。納得できる価格設定だから、ファミリーユーザーを筆頭に注目を集め、予約受注をほとんど行わずに4日間で約5万台を受注したのにも納得できる。


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渡辺陽一郎 WATANABE YOICHIRO

カーライフ・ジャーナリスト/2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

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フォルクスワーゲン・ポロ(2010年式)
趣味
13歳まで住んでいた関内駅近くの4階建てアパートでロケが行われた映画を集めること(夜霧よ今夜も有難う、霧笛が俺を呼んでいるなど)
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