最近あまり話題にならないけど「自動運転」っていまどうなってていつ頃実現される? 自動運転の現在地 (2/2ページ)

一般車両と公共交通機関それぞれが自動運転で目指すところ

 こうしたタクシーやバスなどを用いる公共的な領域を、日本政府は「サービスカー」と呼ぶ。直近では、海外でのAIを活用したロボットタクシーや、2024年問題に対応する高速道路での長距離トラック向け自動運転などについて、「自動運転2.0」と命名して日本での普及を再検討しているところだ。

 他方、国が「オーナーカー」と呼ぶ乗用車の自動運転については、コストに見合った形で段階的に高度化するという方針を、日系メーカーの多くが取っている。

 自動運転は、自動運転レベルとして1〜5までの5段階あるが、レベル1〜2はクルマの運転の主体がドライバーな担う。つまり、先進運転支援システム(ADAS)のことだ。さらに高度化して、レベル3〜4になるとクルマの運転はクルマのシステムが担う。そのうち、レベル3はシステムが自動運転の継続が不可能だと判断すると、乗員に対して運転することをリクエストしてくる、という考え方に基づく。

 オーナーカーについては、ホンダ「レジェンド」が世界初の量産型レベル3を実現したものの、コストが高く普及には至らなかった。その後、グローバル市場で見ても、レベル3を導入するケースはまれで、多くのメーカーが当面の間、高度なレベル2を目指すとしている。一般的には、レベル2.5と表現されることもある。

 このように日本では、オーナーカーはADASの発展系、またサービスカーはドライバーレスのレベル4に向けた実証が続くことになりそうだ。

 いずれにしても、自動運転を考える上でもっとも重要なことは、「自動運転は本当に必要か?」という点だ。自動運転は万能ではない。どんな場所で、どんな時に必要なのか。コストを考えながら、自動運転が社会にとってプラスになることを願う。


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桃田健史 MOMOTA KENJI

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