【試乗】「これスリックか?」AMG GTは血の気が引くほどの強烈な速さと曲がり! 富士スピードウェイで全開走行を試した!! (1/2ページ)

この記事をまとめると

メルセデスAMGが「AMG Experience on Track」を開催

■サーキットでの走行技術向上を目指す体験プログラムだ

■桂 伸一さんが「AMG Experience on Track」に参加した

AMGのクルマでサーキットを全開!

 AMG Experience on Trackに参加するため富士スピードウェイに向かった。

 午前中はショートコースでドラッグレース&ストップボックスとマルチコースにわかれてのカリキュラム。ショートコースは、フル加速して枠のなかで止める……ゲーム感覚だがAMGの加速の鋭さと驚くほど止まるパフォーマンスを体験。マルチコースは、散水したウエットコーナーで車両安定装着ESPほか制御の違い、ESP-OFFで変化する挙動、つまり横滑り〜カウンターステアで挙動をコントロールする楽しい内容。

 という午前の部は編集部井上が担当する。「桂さんは昼までに来て下さい」と井上にいわれるも、かなり早めに到着してしまい午前中のカリキュラムを見学。

 そこはマルチコースの終了間際。各自ESP-OFFの状態でパワーオーバーステアをカウンターステアで修正する操縦に没頭。加速して減速したそこからすでに路面はウエット。ステア操作で曲がり始めてパワーをガバッと加えると、パワースライドに転じるという状況。

 皆さんまずはアンダーステアを出す。AMGといっても操縦安定性の基本はメルセデス ベンツ流儀だ。だから容易にオーバーステアにはならない。終始アンダーステアの人もいる。そのなかで絶妙なスライドコントロールを見せる方がいた。誰かとコクピットを覗くと、CARトップ本誌でもお馴染み日本レース界のレジェンド、御年85歳、ガンさんこと黒澤元治さんだ。

 スライドはするが必要以上にカウンターステアを当てない。最小限のスライド、ドリフト量とカウンターステアでつねに前へ前へ。つまり見た目は派手ではないが速い。もうこれはレーシングドライバーとしての本能だろう。

 ガンさんはともかくクルマすべての動きに無駄がなく、入力(操作)は必要最小限でスムースにコントロールする術で、それ以後も前にもこれほど滑らかで無駄のないヒトの横乗りは経験していない。あ、そのときもメルセデス・ベンツの国際試乗会だったな。

 いきなり脱線したが、桂の担当は午後からのサーキット走行で、GT 63 S Eパフォーマンス クーペと、GT 63 4マチッククーペの全開試乗という刺激的かつ魅力的なメニューだ。

 しかし、AMG 4リッターV8ツインターボのエンジンスペックは、いつの間に驚くべき桁違いの数値になったのか!! GT 63 S Eの馬力はじつに816馬力・1420Nm!! は大型トラックに迫る恐ろしいトルク。F1由来のハイパーバッテリーと駆動モーターをリヤに搭載した威力は度肝を抜かれる。エンジン単体のスペックは612馬力/850Nmとこちらも依然特大なトルク値。ちなみにGT 63 4マチックは驚きは数値と同時に身体にくる。0-100km/h加速は2.8秒!! は想定外。一瞬血の気が遠のく加速Gは、一度味わうと2度目はアクセルを踏み込む気にならなくなるほど超切れ味鋭いダッシュ力に恐れおののく。

 サーキット試乗は、車両安定装置ESPを最終的にはOFFにして、純ナマのパフォーマンスを味わわせる。そこがクルマの制御含む完成度に自信があるAMGらしい。サーキットを全開で走ってどうか? ということで乗り味、使い勝手云々は判断つかないが、試乗の番がまわって来たので、そのパフォーマンスの確認にスタート。


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