アメリカの倉庫から超お宝フェラーリが20台も発掘されるという大事件! 天文学的な価値の「納屋物件」に世界が驚いた (2/2ページ)

コレクター卒倒レベルの名車がズラリ

 たとえば、250GTクーペは1956年にピニンファリーナがスーパーアメリカスタイルで製造した4台の250GTクーペのうち、現存する最後の1台と考えられています。初代オーナーはモロッコ国王モハメド5世で、ナチュラーレコノリーレザーのインテリアの上にネロルーフを備えたオリジナルカラーの組み合わせの「痕跡」と、シリアルナンバーが一致するV12エンジンにより、このスペチアーレはフェラーリマニア、あるいは250マニアにとって夢のような1台となるはずです (予想価格:170万~230万ドル) 。

 また、フェラーリ 512BBコンペティツィオーネは、1978年のル・マン向けに製作された3台のファクトリー仕様車のうちの1台。ゼッケン87はルイジ・キネッティがエントリーし、ジャック・ゲラン、ジャン・ピエール・ドローネ、グレッグ・ヤングがドライブ。残念ながらリタイヤしたものの、19時間で232周以上を走ったという生粋のレーシングBBです(予想価格:180万~280万ドル)。

 そして、あるがままのバーンファインドのなかでも1954年モデルの500モンディアル・スパイダー・シリーズⅠはお宝中のお宝かと。ご覧のとおり、鉄くずレベルになっているものの、 20台のフェラーリのなかでもっとも広範、かつ価値あるレースの歴史をもっているとされています。

 もともとはピニンファリーナによるスパイダーボディとして製造されたものの、元スクーデリア・フェラーリのドライバー、フランコ・コルテーゼにレース仕様に仕立て直して納車。コルテーゼとコ・ドライバーのペルキーニは、1954年のミッレ・ミリアでクラス4位(総合14位)を獲得。その後、スカリエッティによってボディがカスタムされると、1956年のタルガ・フローリオにベンツォーニ&ナウスト組が出場。もちろん、スクーデリアのサポートもあり、ヒストリーブックに輝かしい戦績が記されているのです(予想価格:120万~160万ドル)。

 繰り返しますが、このレベルのフェラーリが一気に20台も発見されるバーンファインドは、まさに今世紀最高かと。ご紹介した3台以外にも、わずか712台しか製造されなかった308GTB(ヴェトロレジーナ:ファイバーボディ)はスカリエッティの工場から出荷されたばかりかのようなコンディション。1991年のテスタロッサはバーンファインドといいながら、ショールームコンディションを保ち、これまた驚くような価格で落札されること間違いなし。

 オークショニアは1台ずつの落札を提示していますが、ここは20台まとめてドーンと落札するのが男の夢! 値段は張るはずですが、満足感はそれこそプライスレス。ほんと、バーンファインドは現代の夢物語のようで、じつに楽しいものです。


この記事の画像ギャラリー

石橋 寛 ISHIBASHI HIROSHI

文筆業

愛車
三菱パジェロミニ/ビューエルXB12R/KTM 690SMC
趣味
DJ(DJ Bassy名義で活動中)/バイク(コースデビューしてコケまくり)
好きな有名人
マルチェロ・マストロヤンニ/ジャコ・パストリアス/岩城滉一

新着情報