この記事をまとめると
■旧ユーゴスラヴィアの大衆車「ユウゴ」が2027年にセルヴィア主導でリバイバル
■オリジナルの2ボックスデザインを踏襲しつつ現代的な要素を多数搭載
■自然吸気・ターボ・EV・MT・ATなど多彩な展開が予定されている
知る人ぞ知る旧ユーゴスラヴィア車
2027年に再びユウゴが帰ってくる! しかも、レトロモダンなスタイリングはセルヴィアのオリジナルデザインなのだ! といわれても、ピンとくる方は少なめかと。そもそも、セルヴィアが旧ユーゴスラヴィアの構成国家だったことや、スロヴェニアやクロアチアといった国々がそれぞれ電気系やエンジンの組み立てを担っていたことだって、普通のクルマ好きはさして興味がないはず。一時はジウジアーロがデザインしたモデルがあったり、今世紀最悪の50台に選ばれるなどトピックにも事欠かないのに、ユウゴの知名度は残念ながら絶望的に低いのです。
ザスタヴァ・ユウゴのフロントスタイリング画像はこちら
ユウゴといっても、もともとはモデル名のひとつであり、生産メーカーは旧ユーゴスラヴィアの武器メーカー「ザスタヴァ社」でした。したがって、初期のモデルはザスタヴァ・ユウゴと呼ばれており、その中身はフォードのトラックやウィリスジープのノックダウン生産車。
また、創立100周年を迎えた1953年にはフィアットと提携関係を結び、こちらはノックダウンではなく、少なからずローカライズを加え、ザスタヴァのオリジナルと呼んでも差し支えないモデルを生産していました。
ユウゴのエンブレム画像はこちら
その後、ユーゴスラヴィアの解体やアメリカへの輸出といったマイルストーンを重ねていくのですが、東ヨーロッパの複雑な歴史、地政抜きには語りづらいので割愛。西側との連携プレイとかなかなか興味深いエピソードもあるので、興味のある方は深堀してみてください。
ユウゴの当時の写真画像はこちら
さて、ザスタヴァは前述のとおり激動の歴史を刻みつつ、2008年にユウゴの生産を終了しました。じつに80万台ほどを生産し、そのうち25万台は東ヨーロッパ諸国、ならびにアメリカへの輸出であり、いずれの国でもユウゴは現役バリバリで走っているとのこと。今世紀最悪のクルマと呼んだ方々は顔を真っ赤にしていることでしょう。