この記事をまとめると
■自動運転レベル2の定義は加減速と操舵をシステムが行うこと
■上級システムはレベル2.5、レベル2++といった表記で区別している
■アイズオフが可能となるのは自動運転レベル3以上
自動運転技術の搭載はもはや新車のスタンダード
いまや新車のセールストークにおいて「自動運転テクノロジー」は欠かせないキーワードになっている。現時点で、日本国内で販売されているクルマで自動運転テクノロジーを搭載していないモデルはほとんどないくらいの印象をもっているのではないだろうか。
ただし、車両側システムにより全自動で走行するという「レベル」ではないのもまた事実でありご存じのとおり。現実的には「自動運転レベル2が主流」といわれている。あらためて自動運転レベル2の内容と現状について整理してみたい。
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国土交通省の基準では、自動運転テクノロジーは5つのレベルに分類されている。そして、レベル1とレベル2はドライバーによる監視が必要な運転支援機能、レベル3から上になるとシステムが監視を担う、真の「自動運転」と規定される。
それぞれの内容を簡単に記すと、次のようになる。
レベル1:AEBS、ACC、LKASのいずれかを装備している
レベル2:レベル1の機能を複数組み合わせている
レベル3:条件付きでレベル2の機能をシステム監視で実行
レベル4:特定条件下における完全自動運転(無人運転)
レベル5:常時システムがタスクを実施する完全自動運転
※AEBS(衝突被害軽減ブレーキ)、ACC(追従クルーズコントロール)、LKAS(車線中央維持アシスト)
いま販売されている新車は、AEBSの装着が義務となっている。日本国内では自動運転技術非搭載のクルマはなく、自動運転レベル1以上のクルマしか売られていないといえるのだ。そして、多くのモデルでACCとLKASを同時に活用することが可能となっていることは、ご存じのとおりだ。
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冒頭で書いたように、ほとんどの新車は自動運転レベル2にあるといえる。ただし、「ACCやLKASといった自動運転機能が複数同時に作動する」というレベル2の条件だけで分類したのでは、各モデルの自動運転テクノロジーを正当に評価するのは難しい。
多くの自動運転レベル2におけるLKAS機能はステアリング操作アシストなので、ハンドルを握っている必要がある。しかし、日産プロパイロット2.0、スバル・アイサイトX、ホンダセンシング360、トヨタ・アドバンスドドライブなどの上級システムでは、ハンズオフ(手放し)運転を可能としている。
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ほかにも、高級モデルでは車線変更支援機能をもつことも珍しくない。ほかにも、ナビのルート設定に従い、高速道路ジャンクションなどでの分流・合流を自動で行う機能があったり、高速道路の料金所で自動的に減速する機能もあったりする。
実際、国土交通省の自動運転レベルわけにおいても、レベル2に関してだけは単純にレベル1の機能を組み合わせたものと、自動運転レベル3に近づいた高機能なものを区別している。