「便急特ールガンカ」「ンレチエ化酸」トラックの右側面に書かれた「逆配列の文字」! わざわざ読みにくく書かれる「納得の理由」 (2/2ページ)

「20t超」のステッカーには重量以外に「新規格車」の意味もある

 ちょっと控えめではあるものの、意外と多くのトラックに貼られているのがこの「20t超」ステッカー。このシールの意味は「車両総重量」が20トンを超えていることを表している。

 さらに、「新規格車」と呼ばれる部類の車両であることも示している。この新規格車は高速自動車道路と重さ指定道路を自由に通行できる車両のこと。その他の道路を走る場合は特殊な車両として扱われるため、特殊車両通行許可が必要となるトラックを意味している。

 しかし、この新規格車は、ぱっと見ただけでは普通のトラックとの違いはほとんどないため、一般トラックと新規格車を明確に判別するために、トラックの前面には「20t超」と書かれたシールを貼るというわけだ。

 ここでひとつクエスチョン。上の写真の赤い四角で囲った部分の文字がわかるだろうか? ヒントはどちらにも同じ文字が入る。

 答えは「誘導」。ボディが大きく死角が多いダンプに貼られていることが多く、これは安全管理のため「誘導なしでバックしないこと」を意味する標語だ。

 これを見た一般ドライバーのなかには、ダンプのドライバーがまだ経験の浅いことをまわりに知らせる初心者マークのような意味合いだと勘違いする人もいるんだとか。

 たまに見かけるが、その正確な意味が分からないのが「一般」という表示。これは一般貨物自動車運送事業で使う、営業所の管轄区域内の集配業務などに従事する車両のこと。シンプルにいえば人の荷物を有償で輸送するトラックという解釈でOK。

 少し前までは一般貨物自動車運送事業で使うトラックには必ず一般のステッカーが貼られていたが、規制緩和により「一般」の表示義務はなくなった。

 そのほか、燃料タンクには「カチ止め」の文字が書かれいることがある。そもそも「カチ止め」とはガソリンスタンドでの給油時に、自動で給油が止まる現象を指す俗語。「カチッ」という音とともに給油ノズルの先端が燃料に触れると給油が止まることからこの名前で呼ばれている。「ガチ止め」や「カチャ止め」という呼び方もある。

 ではなぜカチ止めを守る必要があるのかといえば、その理由はふたつ。カチッと音がした後の継ぎ足し給油で燃料が吹きこぼれることを抑える意味と、満タンにしすぎて暑い時期などは燃料が膨張し噴出する危険を防止するため。

 ついつい給油口ぎりぎりまで燃料を入れたくなる気もちはわからないでもないが、それはトラックに限らず乗用車でも同じく危険なことなのでご注意を。

 このようにトラックに書かれた謎の文字はたくさん存在する。今後トラックを見かけたら、ぜひ車体にある文字をチェックしていただきたい。じっくり観察するとその奥深さに驚くはずだ。


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