ただのアストンマーティン ヴァンテージだってスゲーのに「ヴァンテージS」ってなんだよ! さらにバカッ速でもっと豪華な中身をマルっとご紹介 (2/2ページ)

インテリアのレベルも世界屈指の豪華さ

 インテリアのフィニッシュも、アストンマーティンの作らしく、じつにスポーティかつ高級感のあるフィニッシュだ。標準的な仕様はアルカンターラとレザー素材を用いたものだが、カスタマーはさらにカーボンファイバー製のトリムなどを選択することも可能。

 さらにさまざまなインテリアオプションパッケージの選択や、アストンマーティン自慢のパーソナリゼーションプログラムを使うことで、完全にカスタマーの好みを反映した世界で一台の仕様を実現することができるのも見逃せないポイントだ。

 シートのヘッドレストにはシート上部のショルダーパネルにカラーを合わせた「S」のロゴも刺繍される。これは約2500針のステッチと16mを超えるという糸で描き出されたもので、アストンマーティンがパフォーマンスともに、いかに世界最高レベルのラグジュアリーを意識して、この新型ヴァンテージSを完成したのかがよく分かる。

 フロントに搭載されるエンジンは、これまでヴァンテージに使用されてきたメルセデスAMG由来の4リッターV型8気筒ツインターボをさらにアップデートしたもの。最高出力の680馬力、最大トルクの800Nmというスペックは、かつてアストンマーティンが、333台の限定車としてリリースしたV12ヴァンテージの700馬力にも迫るもの。最大トルクは3000~6000rpmでフラットに発揮される設定だ。ドライビングの楽しさとパフォーマンスのフィールをより高めるため、アクセルペダルの重さや、それを踏み込んだときのレスポンスなどを改良している点も見逃せない。

 前後重量配分を最適化するため、リヤにレイアウトされるミッションは8速AT。パワートレインのキャリブレーションも変更され、ローンチコントロールシステムの最適化などによって、0-100km/h加速では3.3秒、0-200km/h加速でも10.1秒という驚異的な運動性能が実現した。最高速の325km/hもまた十分な説得力をもつ。

 ビルシュタイン製DTXアクティブダンパーが備わる前後サスペンションのセッティングも、Sモデル独自のものに進化した。その効果はコーナリング時のクイックでかつ正確な動きや安定性ばかりではなく、乗り心地の向上にも表れている。カスタマーはその進化を、実際の走りのなかで明確に感じることができるに違いない。

 ヴァンテージSのデリバリーは、2025年の第4四半期にスタートする見込み。すでにオーダーは日本でも受け付けられているが、納車には長い時間が必要になることは必至だろう。それほどまでに新型ヴァンテージSとは、魅力的なラグジュアリースーパースポーツなのだから。


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山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

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