この記事をまとめると
■トラックのセンサーとしてミリ派レーダーはポピュラーな存在だ
■ミリ派レーダーの弱点は「その物体が何か」を認識すること
■AIの普及で大型車両の安全性はさらに向上する
悪天候に強いトラックのミリ波レーダー
ミリ波レーダーは、ミリ波帯の電波(波長が1~10mm、周波数が30~300GHz)を使用して対象物との距離・速度・角度などを測定する仕組みのレーダーで、トラックのセンサーとしてはポピュラーな存在だ。
一方、バスの車内センサー(乗降口の乗降者感知センサー)などでは赤外線が使用されていることも多い。だが、赤外線は直射日光などの強い光が当たっていたり、温度変化が激しかったりすると誤作動を起こす危険性がある。車内ならまだしも、車両の外に向けた検知には向いていない。
その点、ミリ波レーダーなら雨・霧・雪などといった悪天候のほか、夜間やトンネル内の暗い環境でも正確に物体を捉えることができる。
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また、長距離検知が可能で、高い直進性をもつため、遠方の物体も検知可能だ。すなわち、過酷な環境にある車外の検知にはミリ波レーダーが向いているのである。
ただし、弱点がないわけではない。あくまでレーダー波による検知であるため、「何かがある」ということはわかるものの、「それが何か」というところまでは識別できない。とくに小さな物体になればなるほど検知することが難しくなる。ゆえに、前を走る(後ろを走る)車両や後方・側方の障害物の有無を検知するといった利用法が一般的になっているのである。