AIがカメラの映像を解析して危険を判断
この弱点をカバーするのがカメラと、その映像を解析するAIシステムである。これは、車両の必要箇所にカメラセンサーを設置し、そこから得られた画像情報をAIが解析するというシステムだ。運転支援・安全管理システムとして普及しており、センサーとなるカメラは取り付け場所に応じて撮影範囲を設定し、突起物にならないような違和感の少ないデザインになっている。
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一般に手持ちで使用する撮影用のカメラは、焦点距離を調整できる機種が多く、ひとつのレンズで近距離・遠距離を任意に撮影することができる。しかし、トラック用のセンサーカメラはスマートフォンのカメラと同様に、焦点距離を変えることができない。そのため、設置する場所によって最適な焦点距離をもつレンズにしなければならないのだ。
しかし、最新のものでは1枚のレンズを加工して、遠距離と近距離の両方をカバーするものも登場している。
さらにすごいのがAIだ。大型車両は死角が多いため、車両側方・後方にいる人・自転車・バイクなどを確認しにくい。これをカメラで映像として捉え、AIによって正確に判断することができる。
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さらに、安全支援システムでは標識などに関して、記載されている内容(制限速度・進入禁止など)まで判断することができるものがある。
後退支援システムや発進情報システムでは、後退・発進時に進行方向の状態をカメラで捉えてAIが解析し、危険があればドライバーに知らせてくれるようになっている。
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これまでも、バックカメラなどの映像をモニターに映し出すことはできたが、その危険性はあくまでドライバー単独の判断に委ねられていた。これでは、万一見落としや目測の誤りといった判断ミスがあれば、直ちに事故につながってしまう。
今後AIが普及することで、ドライバーの負担が少しでも軽くなれば、大型車両の安全性はさらに向上することだろう。