この記事をまとめると
■日産プリメーラは初代が34万台以上売れる大ヒットモデルだった
■3代目は大幅にモデルチェンジしたので賛否両論となった
■クルマとしての素性はよく6速MTモデルは走りも楽しめるモデルだった
3代目プリメーラの悲しい結末
1990年にデビューした初代日産プリメーラは、イギリスと日本で生産された、欧州車を意識しまくったセダン、ステーションワゴンだった。エクステリアデザインに大きな特徴はなかったものの、インテリアは居住性重視で、クラス最大級の広さ、居心地のよさを誇ったものである。そしてただ欧州車を意識しただけではなく、走りについても走り好きの若い世代に照準を当て、スポーティな操縦性、乗り味がもち味。
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が、そのぶん、当時の欧州車の”あるある”である乗り心地の硬さがネックとなり、早々に足まわりの設定を変更した経緯がある。とはいえ、初代プリメーラは日本でも一定の評価を得て、販売は堅調。1995年8月の生産終了までに約34万台の新車登録台数を誇ったのだった。
1995年に初代と入れ替わるカタチで発売された2代目はキープコンセプト。初代を思わせる特徴的なCピラーを持つセダンとハッチバック、そしてステーションワゴンを用意したものの、同クラスのライバルの登場やキープコンセプトが影響してか、欧州(英国生産)、北米でも販売されたものの、初代ほどの人気は得られなかった。
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さて、ここでの本題は、プリメーラの最終型となる、2001年に登場した3代目についてである。ルノーに助けられ、カルロス・ゴーン社長による再建計画後に登場した”最後のプリメーラ”は全長、全幅を拡大し3ナンバーサイズとなったのと同時に、エクステリアデザインを一新。
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何しろデザインは日産デザインヨーロッパのスイス人デザイナー、ステファン・シュヴァルツが手掛けたもので、例によって英国でも生産、販売されるインターナショナル感ムンムンの企画であった。3代目でもワゴンを設定し、ミニバンライクな広大な室内空間は継承。それも3ナンバーサイズになったのだから、さらなる広さを獲得できたことになる。
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ボディサイズはセダンが全長4565×全幅1760×全高1480mm。 ホイールベース2680mm。ワゴンのみ全長が4675mmとなる。ワゴンのラゲッジルームには、バックドアと連動して開閉するトノカバー、脱着式アンダートレイを採用するなど、ラゲッジルームの使い勝手も抜群だった。ちなみに当時の日産が好んで使っていたテーブル状インパネ中央デザイン(ナビなどを配置)は、このプリメーラから採用されている。
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