この記事をまとめると
■川崎北部市場は仲買人や小売業者だけでなく一般人も利用できる
■市場ではトラックの“甲羅干し”など珍しいシーンに出会える
■「製氷棟」の建物やグルメなどトラック好きにはまるで観光名所だ
市場は築地だけじゃない! 川崎北部市場へ潜入
今回、編集部が訪れたのは神奈川県にある川崎北部市場だ。市場といえば築地のような巨大な施設を想像しがちだが、北部市場はそこまで広大ではない。とはいえ、「青果部」「水産部」「食肉部」「関連商品部」「花き部」の5つの部門で構成されており、十分に見ごたえがある。
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ここに来ればさまざまなトラックの姿はもちろん、物流のリアルな現場も観察できるのではないか? そんな目論見をもって足を運んだ。
少し北部市場について説明しておこう。神奈川県川崎市宮前区に位置し、1976年に都市部の食料流通の合理化を目的として開設された市場である。仲買人や小売業者だけでなく一般の人も買い物ができるうえ、おいしい飲食店が数多く軒を連ねているのが特徴だ。
最寄りの駅からはクルマで10分ほど。入口の坂を上るとまずは守衛さんがいる詰め所がお出迎えしてくれる。駐車場はもちろん無料だ。市場に到着してさっそくいろいろな場所を観察開始。
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市場だけにトラックが山ほどいるのではと思っていたが、訪れた時間帯が悪かったのか予想していたより静かだった。平日の午前中なら大丈夫だと思ったが、市場の朝は早いのである。
まずは市場内をブラブラ歩いてみると、予想どおりあちこちでターレトラックに出会うことができた。比較的新しいターレもあれば、年季の入ったモデルもある。どれも電動式で、エンジン式のターレは1台も見かけなかった。
川崎北部市場のターレトラック画像はこちら
さて、次に目についたのがこの後部扉を開け放したトラックだ。
荷室を全開にして甲羅干しをするトラック画像はこちら
走っている姿はよく見かけるが、扉を全開にして荷室を乾かしている光景はなかなか珍しい。常に水分を含んだ荷物を運んでいるだけに、こうしたメンテナンスは欠かせないのだ。
軽トラックから4トン車まで、さまざまなトラックが“甲羅干し”をしている様子は見ていてなかなか楽しい。この日は湿度も低く快晴だったこともあり、市場内のあちこちでその光景を見ることができた。
冷蔵車や冷凍車の甲羅干しに交じって、ふと視界に入った1台のトラック。百戦錬磨のつわもの感がにじみ出ている。これまで、きっととんでもない量の鮮魚を運んできたのだろう。荷室の後部は赤茶色に変色し、使い込まれた様子がひと目でわかる。トラック自体も年季が入っていたが、それでも立派に現役として活躍していた。
荷室の後部が赤茶色に変色したトラック画像はこちら