ご当地ナンバーも追加され表現の幅は増えている
たとえば神奈川県は「神」でしたが、もともと陸運支局のあった「横浜」が「横」になり、「相模」が追加される、という流れです。東京都は最初無記でしたが、登録増加によって「品川」に加えて「足立」「練馬」「多摩」が追加され、その当初は頭の1文字でしたが、変更によって2文字となり、いまに至ります。
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そしてまだ記憶に新しい2004年には、「ご当地ナンバー」の制度が導入されました。これは、地域によって登録や検査のためにかなりの距離を移動しなければならない人のために、自動車検査登録事務所を増やす施策が提案され、それにともなって新たな地域名を加える際に、そのご当地を象徴する地名を候補から選ぶことができるというものです。
これにはそれぞれの自治体や住民の要望を集めて、地域活性化などいろいろな面から検討して決められました。表記名は実存の地名だけではなく、「富士山」という山の名前や「南信州」という地域名、また「なにわ」や「いわき」など通称のような表記も採り入れられました。
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■文字数の制限や表記の自由度は?
そのように、登録台数の増加に対応するためや、登録者の利便性向上などの理由で変化してきたナンバープレートの地名表記ですが、ある程度の自由度が与えられたとはいえ、あくまでも表記を読み取ることが主目的ですから、極端に多い文字数や、複雑な漢字の使用はその目的から外れてしまいます。実際にその表記はどれくらいまで自由なのでしょうか?
地名表記の文字数については、基本的に2文字となっているようです。しかし例外も多くあります。たとえばもっとも文字数の多い例は、愛知県の「尾張小牧」と三重県の「伊勢志摩」の4文字で、この2カ所だけです。3文字は「苫小牧」や「宇都宮」、「和歌山」など、各地にわりと多く散らばっています。
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逆に少ないところでは、千葉県の「柏」と大阪府の「堺」の2カ所のみが一文字です。ちなみにひらがなについては、茨城県の「つくば」、栃木県の「いわき」、大阪府の「なにわ」の3カ所だけです。
滋賀県の「滋賀」や愛媛県の「愛媛」は、画数の多さや複雑な文字の構成によってつぶれて見えてしまうことを避けるため、線を省略したり変形したりと工夫が凝らされています。「滋賀」のほうは「糸」に似た部分がジグザグに略されてその雰囲気から「ゲジゲジ」と呼ばれ、それを模したキーホルダーまでリリースされているようです。この表記も「図柄入りナンバー」では変更されるなど、そのときどきで変化しています。