20段とか30段とか減衰力調整をウリにするクルマ車高調! ぶっちゃけそんなに細かい設定必要? 強中弱ぐらいでよくない?

この記事をまとめると

■車高調には減衰力調整ができる機能が備わっていることが多い

■種類によってはかなり細かく調整できるが違いがわかりにくい場合もある

■一般的な車高調はリバンプ側(伸び側)がメインでバンプ側(縮み側)の調整はできない

減衰力ってどう調整するべき?

 アフターパーツのスポーツダンパーや車高調キットのダンパーは、減衰力調整式になっているものが主流だ。タイヤや走る環境、天候、スピードレンジに合わせて、減衰力を調整できるのは魅力的といえるだろう。

 しかし、その調整幅が20~30段と広すぎるのも考えもの。

 一応、ダンパーメーカーの推奨値が決まっているので、それを基準に街乗りならややソフトに、ワインディングならややハードに、高速道路ならその中間で、サーキットならハードに、といった具合に使い分ければいいのだが、20段も30段も調整幅があると、正直調整ダイヤルを1クリックぐらい動かしても、大して違いが感じられないことも……。

 そうしたダンパーでは、1度に2~3クリック動かして、セッティングの方向性を見極めるのがおすすめだ。

 通常、減衰力調整ダイヤルの先端は、ダンパー内のピストン部分のニードルに直結していて、そのニードルが締まったり緩んだりすることで、オイルが通る穴の大きさが変わり、減衰力を変化させている。

 そのダイヤルに、どれだけ節度をもたせるかで、調整段階が決まるわけだが、調整幅そのものは、5段階でも30段階でもそれほど大きな違いはない。より細かいほうが微調整できるが、使いこなせない人や、違いを感じにくい人にとっては、5段階とか、10段階とか、段数が少ないほうが使いやすいのは事実だろう。

 なお、あまり知られていないかもしれないが、一般的な減衰力調整式ダンパーでは、減衰力調整ダイヤルを回しても変化するのはリバンプ側(伸び側)がメインで、バンプ側(縮み側)はほとんど硬さが変わらない。

 つまり、「乗り心地が固いな~」と思って、減衰力がソフトになるように振っても、突き上げ感(乗り心地)はあまり変化しないということを覚えておこう。

 車体のロールに関していえば、ロール量を決めるのはスプリング。ロールスピードを決めるのはダンパーだ。スポーツカーでも、スプリングがソフトで、ダンパーの減衰力が利いていれば、路面からの入力はスムースに吸収され、しっとり安定感のある走りが可能になる。

 とくにストリートメインのサスペンションを装着するのなら、バネレートが低いサスキットを選び、ダンパーの減衰力で落ち着きある走りとフィーリングを求めるのが、賢いセッティングといえるだろう。


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藤田竜太 FUJITA RYUTA

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