この記事をまとめると
■RMLエンジニアリングが911ターボSをベースに開発したハイパーカー「P39」を発表した
■最高出力912馬力に923kgのダウンフォースなど圧倒的なサーキット性能を実現
■創立40周年記念として10台限定スペシャルエディションも計画中だ
現行911ターボSにさらなる高性能を
スーパーカーとハイパーカーの違いとはいったいなんなのだろうか。一般的にハイパーカーとは、スーパーカーを超えた驚異的なパフォーマンスを誇り、最近では数億円という数字も珍しくはなくなった高価なプライスを掲げ、かつその生産台数が少ないモデルを意味するものと考えられている。つまり、ハイパーカーとはスーパーカーを超越した存在と考えられるのだが、その間に明確な線引きを行うことは難しいというのが実際のところではないだろうか。
だが、今回紹介するニューモデルの詳細を知れば、スーパーカーとハイパーカーの違いも少しは明確なものになるのかもしれない。「P39」と呼ばれるこのモデルは、イギリスのウェリングバラに本拠を構え、これまで40年以上にわたってモータースポーツやそれに関連する技術開発を続けてきたRMLエンジニアリングが発表したもの。
RML P39のフロントスタイリング画像はこちら
ベースとされているのはポルシェが市場に投入する、最新の911ターボS(992.1型)で、日常的な使いやすさはそのままに、サーキット走行にさらにフォーカスすることをコンセプトとしている。ちなみに同社が開発時にその目標値のひとつとして掲げたのは、ニュルブルクリンクのノルドシュライフェで、911ターボSより32秒速い、そしてポルシェ製サーキット・スペシャルともいえる911GT3RSの記録を4秒上まわる、6分45秒というラップタイムを実現することだった。
フロントウインドウやルーフラインのシルエットなどには、ベースとなった911ターボSの面影が残るものの、P39のボディはさらに軽量で、かつエアロダイナミクスに優れたものへと改められている。素材は軽量なカーボンファイバーとされ、エアロダイナミクスの処理には最新のル・マン・ハイパーカーで採用されるさまざまなテクニックが採用されている。
RML P39のリヤスタイリング画像はこちら
リヤに備わる巨大なウイングはアクティブタイプで、選択されたドライブモードや走行中のシチュエーションに応じて、ダウンフォースを増加させるほか、DRS、すなわちドラッグ・リダクション・システムとしても機能する。
結果的にP39で得られるダウンフォースは、285km/h走行時にベースの911ターボS比で719kgも大きな923kgを達成することに成功した。
RML P39のリヤウイング画像はこちら
リヤに搭載されるエンジンは、同じイギリスのスペシャリスト、リッチフィールド・モータースとの共同開発による3.7リッターの水平対向6気筒ツインターボ。最高出力と最大トルクは、それぞれ912馬力、1000Nmと発表されているが、これもまた911ターボSのスペックと比較すれば、262馬力、200Nmのエクストラが与えられた魅力的なデータだ。
専用のターボとインタークーラー、そして精密にチューニングされたインコネル製のエキゾーストシステム等々によって可能となったこのスペックは、P39がハイパーカーであることを主張するには十分すぎるデータだろう。