技術開発のためにメーカーが本気で挑むS耐のST-Qクラス! とはいえレースなので気になる速さを調べてみた (2/2ページ)

各メーカーのST-Qマシンが好タイムを叩き出す

 これに加えて、Team SDA Engineerringが投入する61号車「SUBARU HighPerformance X Future Concept」も、カーボンニュートラル燃料を使用しながら次期モデルに繋がる開発を行なっているマシンで、富士24時間レースの予選では1分51秒419(山内英輝選手)をマーク。

 ST-2クラスに挑む日本自動車大学校の72号車「OHLINS CIVIC NATS」がマークした1分51秒295(山野哲也選手)に次ぐタイムで、ST-2クラスに匹敵するパフォーマンスだ。

 そのほか、MAZDA SPIRIT RACINGが投入する55号車「MAZDA SPIRIT RACING 3 Future concept」および12号車「MAZDA SPIRIT RACING RS Future concept」もカーボンニュートラル燃料を使用しながら、シャシーや空力の改善と検証を行っているマシンで、富士24時間の予選では55号車「MAZDA SPIRIT RACING 3 Future concept」が1分52秒531(阪口良平選手)、12号車「MAZDA SPIRIT RACING RS Future concept」が1分54秒851(関豊選手)をマーク。

 55号車「MAZDA SPIRIT RACING 3 Future concept」は、ST-2クラスに参戦するENDLESS SPORTSの13号車「ENDLESS GRヤリス」がマークした1分52秒465(石坂瑞基選手)に次ぐタイムで、ほぼST-2クラスに匹敵するパフォーマンスとなっており、一方の12号車「MAZDA SPIRIT RACING RS Future concept」は、ST-3クラスに参戦するTRACY SPORTS with Deltaの38号車「TRACYSPORTS with DELTA RC350 TWS」がマークした1分53秒549(藤原能成選手)に次ぐタイムで、ほぼST-3クラスと同等のパフォーマンスだといえるだろう。

 ちなみにGR Team SPIRTの104号車「GR Yaris DAT Racing Concept」は、文字どおりDAT搭載の2ペダルモデルで、富士24時間レースの予選では1分51秒873(山下健太選手)をマーク。これはST-2クラスに参戦するシンリョウレーシングチームの7号車「新菱オートDXL☆MART☆VARISエボ」がマークした1分51秒625(碓井久彦選手)に次ぐタイムで、ST-2クラスに匹敵する実力だ。

 一方、Team HRCの271号車「CIVIC TYPE R HRC Concept」はTCR仕様車をベースとするマシンで、第5戦のオートポリスにてデビュー。九州ラウンドでの予選タイムを参照してみると、271号車「CIVIC TYPE R HRC Concept」は1分56秒652(野村勇斗選手)をマークしていたが、これはST-TCRクラスに参戦するM&K Racingの97号車「Racerホンダカーズ桶川CIVIC」がマークした1分57秒260(中野信治選手)を大きく凌駕する。

 九州ラウンドでは開催されなかったが、おそらく271号車「CIVIC TYPE R HRC Concept」は、GT4マシンを対象とするST-ZクラスやST-1クラスに匹敵するパフォーマンスだったのではないだろうか?

 以上、簡単にST-Qクラスに挑む各マシンを各クラスのタイムと比較してみたが、いずれも想定とするライバル車両を凌駕するタイムをマーク。もちろん、Bドライバーを務めるプロドライバーのテクニックもこのパフォーマンスに含まれていたことは事実だが、ST-Qクラスは自由な開発が可能で、絶えずアップデートが行われているだけに、今後もマシンの進化は進んでいくことだろう。


この記事の画像ギャラリー

廣本 泉 HIROMOTO IZUMI

JMS(日本モータースポーツ記者会)会員

愛車
スバル・フォレスター
趣味
登山
好きな有名人
石田ゆり子

新着情報