登録車はTOP10のうちトヨタ以外は日産ノートだけ! 7月の新車販売ランキングを分析してみた (2/2ページ)

トヨタが強いのはその売り方にアリ!

 登録車のみでのトップ10のなかで、唯一トヨタ車以外でランクインしているのは日産ノートとなる。3ナンバーサイズのオーラは個人客が圧倒的なようだが、5ナンバーのノートはレンタカーやカーシェアリングなどフリート販売が目立ち、これが販売台数の上積みに貢献してランクインしていたようである。

 ホンダ・フリードは毎月のようにトップ10圏内に入っていたのだが、今回は残念ながら11位となっている。シエンタが改良の端境期であるとともに、改良型予約受注段階で、初期配車分のかなりの割合を売り切っていたので、それこそフリードへ流れる傾向が目立ってもおかしくなかったのだが、すくいきれていなかったようだ。

 軽自動車では、ダイハツ・タントが前月比69.3%、前年同月比61.9%と元気がないのが目立った。登場したばかりの新型ムーヴへ販売ボリュームを削がれてしまったのかもしれない。ムーヴは今回の新型からスライドドアを採用している。ムーヴを見に来て派生モデルのムーヴキャンバスへ流れるケースも目立ったようで、ムーヴシリーズとして販売台数を伸ばしているようだ……といいたいところだが、実際は前月比88.5%なので、新型ムーヴも早速息切れ気味にもみえる結果となっている。

 軽自動車というよりは、新車販売ナンバー1はN-BOXの指定席となり、登録車販売ではトヨタ一強がほぼ定番となってきているのが実情だ。

 さらに、トヨタ一強といっても、ヤリスからアルファードまでバランスよく販売しており、他メーカーが一部人気車に偏る傾向が顕著なのと比べると、単に販売台数だけではなく収益面でも強さを見せている。一方、N-BOXが日本一売れているホンダでは、たとえば2025年6月のホンダ全体での国内販売台数4万9263台に対し、軽自動車は2万2247台となり、全体の45%が軽自動車だ。その軽自動車内でN-BOXの販売比率は約72%となっている。

 軽自動車が全体の半分近く販売され、その軽自動車の内訳では7割強がN-BOXとなっている。軽自動車はどうしても売りやすくなるし、それが日本一売れていてクルマとしてもデキのいいN-BOXとなれば、このような結果になるのもある意味自然な流れのようにもみえるが、トヨタのように販売現場で売りわけができていないようにみえることに、筆者は不安を覚えている。

 8月は年間でも新車が売れない月の代表となっている。メーカーの工場やメーカー系ディーラーもお盆のタイミングで長期休業に入ることもあり、新規登録(軽自動車は届け出)もなかなか進まないことも大きい。このようなときならではの興味深い結果になることも大きいので、いまから8月の車名(通称名)別販売ランキングが楽しみである。

2025年7月単月車名(通称名)別新車販売ランキングトップ30

ホンダ N-BOX:1万6715台

スズキ・スペーシア:1万4661台

トヨタ・ヤリス:1万3904台

トヨタ・カローラ:1万2370台

ダイハツ・ムーヴ:1万1300台

トヨタ・ルーミー:1万150台

トヨタ・シエンタ:9289台

トヨタ・アルファード:8206台

日産ノート:7824台

トヨタ・ヴォクシー:7803台

ダイハツ・タント:7782台

トヨタ・ノア:7768台

スズキ・ハスラー:7215台

トヨタ・ライズ:7135台

トヨタ・アクア:6831台

ホンダ・フリード:6572台

日産 セレナ:6401台

スズキ・ワゴンR:6170台

日産ルークス:5860台

ホンダ・ヴェゼル:5691台

ホンダ・ステップワゴン:5691台

トヨタ・クラウン:5691台

三菱デリカミニ/eKシリーズ:5338台

ホンダ・フィット:5186台

スズキ・アルト:5031台

ダイハツ・ミラ:4479台

スズキ・ソリオ:4310台

トヨタ・ハリアー:4289台

トヨタ・プリウス:4080台

トヨタ・ランドクルーザー:3967台


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小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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