トヨタが強いのはその売り方にアリ!
登録車のみでのトップ10のなかで、唯一トヨタ車以外でランクインしているのは日産ノートとなる。3ナンバーサイズのオーラは個人客が圧倒的なようだが、5ナンバーのノートはレンタカーやカーシェアリングなどフリート販売が目立ち、これが販売台数の上積みに貢献してランクインしていたようである。
日産ノート画像はこちら
ホンダ・フリードは毎月のようにトップ10圏内に入っていたのだが、今回は残念ながら11位となっている。シエンタが改良の端境期であるとともに、改良型予約受注段階で、初期配車分のかなりの割合を売り切っていたので、それこそフリードへ流れる傾向が目立ってもおかしくなかったのだが、すくいきれていなかったようだ。
ホンダ・フリード画像はこちら
軽自動車では、ダイハツ・タントが前月比69.3%、前年同月比61.9%と元気がないのが目立った。登場したばかりの新型ムーヴへ販売ボリュームを削がれてしまったのかもしれない。ムーヴは今回の新型からスライドドアを採用している。ムーヴを見に来て派生モデルのムーヴキャンバスへ流れるケースも目立ったようで、ムーヴシリーズとして販売台数を伸ばしているようだ……といいたいところだが、実際は前月比88.5%なので、新型ムーヴも早速息切れ気味にもみえる結果となっている。
ダイハツ・ムーヴ画像はこちら
軽自動車というよりは、新車販売ナンバー1はN-BOXの指定席となり、登録車販売ではトヨタ一強がほぼ定番となってきているのが実情だ。
さらに、トヨタ一強といっても、ヤリスからアルファードまでバランスよく販売しており、他メーカーが一部人気車に偏る傾向が顕著なのと比べると、単に販売台数だけではなく収益面でも強さを見せている。一方、N-BOXが日本一売れているホンダでは、たとえば2025年6月のホンダ全体での国内販売台数4万9263台に対し、軽自動車は2万2247台となり、全体の45%が軽自動車だ。その軽自動車内でN-BOXの販売比率は約72%となっている。
ホンダ N-BOXシリーズ画像はこちら
軽自動車が全体の半分近く販売され、その軽自動車の内訳では7割強がN-BOXとなっている。軽自動車はどうしても売りやすくなるし、それが日本一売れていてクルマとしてもデキのいいN-BOXとなれば、このような結果になるのもある意味自然な流れのようにもみえるが、トヨタのように販売現場で売りわけができていないようにみえることに、筆者は不安を覚えている。
ホンダ N-BOXカスタム画像はこちら
8月は年間でも新車が売れない月の代表となっている。メーカーの工場やメーカー系ディーラーもお盆のタイミングで長期休業に入ることもあり、新規登録(軽自動車は届け出)もなかなか進まないことも大きい。このようなときならではの興味深い結果になることも大きいので、いまから8月の車名(通称名)別販売ランキングが楽しみである。
2025年7月単月車名(通称名)別新車販売ランキングトップ30
ホンダ N-BOX:1万6715台
スズキ・スペーシア:1万4661台
トヨタ・ヤリス:1万3904台
トヨタ・カローラ:1万2370台
ダイハツ・ムーヴ:1万1300台
トヨタ・ルーミー:1万150台
トヨタ・シエンタ:9289台
トヨタ・アルファード:8206台
日産ノート:7824台
トヨタ・ヴォクシー:7803台
ダイハツ・タント:7782台
トヨタ・ノア:7768台
スズキ・ハスラー:7215台
トヨタ・ライズ:7135台
トヨタ・アクア:6831台
ホンダ・フリード:6572台
日産 セレナ:6401台
スズキ・ワゴンR:6170台
日産ルークス:5860台
ホンダ・ヴェゼル:5691台
ホンダ・ステップワゴン:5691台
トヨタ・クラウン:5691台
三菱デリカミニ/eKシリーズ:5338台
ホンダ・フィット:5186台
スズキ・アルト:5031台
ダイハツ・ミラ:4479台
スズキ・ソリオ:4310台
トヨタ・ハリアー:4289台
トヨタ・プリウス:4080台
トヨタ・ランドクルーザー:3967台