入院しているキッズが病棟内で乗る電動カートにレース技術を投入! ホンダの本気に敬礼!!

この記事をまとめると

■ホンダはアメリカでも人気の高い自動車ブランドだ

■現地のHonda Performance Developmentが子ども用電動カートを開発

■「SHOGO」と呼ばれる入院している子どもたちが使える仕様となっている

ホンダ「SHOGO」が背負う子どもたちの未来

 北米ホンダはすでに40年以上、かの地でホンダ車を生産しているそうです。そればかりか、レース活動をはじめチャリティにも積極的に取り組むなど、もはや純粋なアメリカ企業と等しい貢献、存在感を示しているといえるでしょう。

 そんなホンダが入院している児童向けの電動カーを開発し、いくつもの小児病院へ寄付をしています。その名も「SHOGO=翔吾」と名付けられ、「未来へ舞い上がる」との思いを託しているとのこと。なんとも心温まるストーリーをご紹介しましょう。

 SHOGOは、電動のキッズカーとして開発されました。が、病棟内を走りまわるために、そして入院している子どもたちを考慮した設計が普通のおもちゃと違うところ。

 たとえば、車体からインテリアまで清潔に保てる素材のみで製作されたほか、点滴を吊るすステーや、看護師さんが後ろから押すことのできる補助バーが装備されるなど、そこらのキッズカーとは出来が違います。加えて、ステアリングに設置されたゴー/ストップ機能は時速1〜5マイル(約1.6〜8km/h)でセッティング可能とされ、子どもたちの年齢や病棟の環境に合わせた性能調整もできるのです。

 設計と製作はカリフォルニアのHonda Performance Development(HPD)が担い、14カ月のプロセスを経て完成に至ったとのこと。HPDは1993年以来、ホンダ・レーシングとアキュラ・モータースポーツを支え、インディカーやIMSAスポーツカーの最高峰のレースから商用レーシングプログラムまで幅広く活動を行っている会社。

 HPDのレーシングエンジニアは、SHOGOの耐久性や安全性、さらにはパフォーマンスの向上を目指し、インディカーやゴーカートのパーツをフル動員。ステアリングシャフトワッシャーやら、ナックルベアリング、はたまたゴーカート用ステアリングなど、開発はレーシングカーに等しいものだったとか。

 ちなみに、エンジニア達はあらゆるディテールにこだわり、SHOGOのレジストレーションタグやアルミのプレートなどが随所に凝らされています。

 開発担当副社長のケルビン・フー氏は「ストレスの多い病院のなかで子どもたちの思い出を作る一翼を担ったことは、このプロジェクトに関わったHPD社員全員が誇りを感じており、チームワークに計り知れないメリットをもたらしてくれました」と述べています。

 HPDの活動を知り、入院している子どもたちの笑顔を見れば、私たちクルマ好きも同様にグッとくるのではないでしょうか。


この記事の画像ギャラリー

石橋 寛 ISHIBASHI HIROSHI

文筆業

愛車
三菱パジェロミニ/ビューエルXB12R/KTM 690SMC
趣味
DJ(DJ Bassy名義で活動中)/バイク(コースデビューしてコケまくり)
好きな有名人
マルチェロ・マストロヤンニ/ジャコ・パストリアス/岩城滉一

新着情報