このナリでF40や911ターボより速かったってマジか! ビュイックGNXは知られざる韋駄天グルマだった (2/2ページ)

547台の限定車で200万円以上プレ値で取引される

 また、GNXが狼と称されるのは、なにもエンジンチューンに限ったことではありません。先のマクラーレンによってボディおよびリヤサスペンションまでカスタムされ、ハイパワーを余裕で受け止めるシャシーとなっていることも大きなポイント。

 さらに、それまでのグランナショナルが15インチのタイヤだったのに対し、GNXは16インチまでサイズアップ。ミッションオイル用クーラーの装備や、フロントフェンダー上のエアダクトもダミーにあらず。ちょっとアメ車とは信じがたい徹底チューンじゃありませんか。

 もっとも、GNX人気に火をつけたのはほかでもない、ケンドリック・ラマーのアルバム「GNX」そのものでした。20億ストリーミングと、ラップとしては驚異的な数字を誇っており、PVには当然のようにケンドリックが所有するGNXが登場しています。

 プライベートでも愛用しているようで、インタビューで愛車のことを嬉しそうに語っているのが印象的です。

 ちなみに、前述のハーフタイムショーではGNXのなかからざっと20人ほどのダンサー達が飛び出てくるのですが、もちろん実車でなく精巧なレプリカで、ステージ用のギミックが仕掛けられたもの。ケンドリック自身も「自分のクルマだったらボンネットの上なんかで歌わない」と語っています。

 ともあれ、彼のおかげでGNX人気はダダ上がり(笑)。547台の限定車とはいえ、現在のオークションで16万ドル(約2300万円)ほどの指し値と、コレクターズアイテム化しており、これからの高騰も間違いないでしょう。


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石橋 寛 ISHIBASHI HIROSHI

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