大排気量V8のアメリカンマッスルカーにはもう乗れない! 世界的な電動化の流れで「らしいアメ車」はどうなる? (1/2ページ)

この記事をまとめると

■アメリカのマッスルカーたちが変革の時期を迎えている

■しばらくはV8エンジンもまだ製造される予定だが、不要説も出てくることが予想される

■BEVとなっても”らしさ”が受け継がれているクルマは売上が好調だという

カーボンニュートラルの加速でアメリカの文化が途絶える?

 とても残念なことだが、2020年代から2030年代初頭にかけて、グローバルで多くのモデルが絶滅する可能性が高い。なかでも、アメ車への影響が大きいと言わざるを得ない。

 その根拠は、グローバルで一気に加速しているBEV(電気自動車)シフトの影響である。BEVシフトの根源は、欧州連合(EU)の執務機関である欧州委員会(EC)が掲げる欧州グリーンディール政策だ。

「欧州域内では(事実上)2035年までに新車はBEV(またはFCV:燃料電池車)100%」となるとの方針が示されている。要するに自動車産業界に対する政治的な意図が強く、ここにグローバルでの投資マネーがうごめいているという状況だ。

 そもそも、電動化については、米カリフォルニア州が1990年から施行しているZEV(ゼロエミッションヴィークル)規制法が長年に渡って世界市場での電動化の基軸であった。そこに2010年代半ば以降、中国のNEV(新エネルギー車)政策が加わった。

 さて、現状でアメリカは、欧州よりはBEVシフトに対する規制が緩い。

 バイデン大統領は2021年8月「2030年までに発売される新車の50%以上をBEV、プラグインハイブリッド、またはFCVとする」という大統領令を発令している。

 つまり、残り50%弱のなかには、大排気量のV8搭載車が含まれるのだが……。2030年代に入れば当然、欧州のように電動化の比率はさらに上がり、V8不要論が出てくる可能性は否定できない。

 これはまるで、1970年代前半の排気ガス規制(マスキー法)やオイルショックの影響で、60年代まで隆盛を極めた大排気量モデルが次々とモデル廃止していった、あの頃の市場動向と重なって見える。


桃田健史 MOMOTA KENJI

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