「大きいことは……」といえば、足もとについてもパトロールNISMOはリードしている。レイズ製アルミホイールにセットされたタイヤサイズは275/50R22、なんと22インチなのだ。ランドクルーザー300 GR SPORTも265/65R18とワイド具合では同等といえるが、ホイール径が4インチも違うのでは、少なくともルックス上の迫力では勝負にならない。
後発モデルが先行するライバルモデルを性能面で超えることは、これまでの自動車史において何度も繰り返されてきたことである。パトロールNISMOが、先行していたランドクルーザー300 GR SPORTをスペックで凌駕することは、自然なことである。
さて、ランドクルーザー300 GR SPORTが、パトロールNISMOにスペックにおいて上まわっている要素もある。それは最低地上高で、ランドクルーザー300 GR SPORTの225mmに対して、パトロールNISMOは195mmしかない。悪路走破性に影響する最低地上高で勝っているというのはランドクルーザーの絶対王者としての矜持かもしれない。
はたして、SUVの絶対王者であるランドクルーザー300に国産モデルのライバルは誕生するのだろうか。日産は本気でパトロール導入を検討しているようだから、その動きから目が離せない。そしてランドクルーザー300 VS パトロールの図式が実現すれば、“負けず嫌い”のトヨタがランドクルーザー300のパフォーマンスを上げてくることも考えられる。相乗効果、切磋琢磨により日本のクロカン4WDマーケットが盛り上がることを大いに期待したい。