この記事をまとめると
■ヒョンデのコンパクトEVのインスターにロングラン試乗した
■インスターの車内には狭苦しさがなく大人4人がリラックスしながら移動できる
■装備類テンコ盛りの最上級グレードのコスパのよさは軽EVを上まわっている
ロングランに出かける前にすでにインスターに魅了された
待ち合わせ場所の横浜みなとみらい、ヒョンデの本社ショールーム前に現れたインスターを見て頭のなかに浮かんだのは、「ほー」とか「なるほど」とか「まぁかわいいっちゃかわいいけど」みたいな、わりと曖昧な感想だった。乗り気でなかったわけでもないけど、前のめりになるほどでもない。アイオニック5にもコナにも試乗していて、ヒョンデのBEVには全般的にいい印象を持ってはいたけれど、インスターはもっとも廉価なモデル。姉たちを超えるものはないだろう、とボンヤリしながらナメていたのかもしれない。そのときは。
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ところが、だ。横浜をスタートしてから大阪までのおよそ500kmという長距離をインスターで走ってみようということになって、見て触れて走らせてるうちに、印象がだいぶ変化した。いまでは僕の個人的な“BEVを買うならコレを選ぶ”リストのベスト3に入るくらいのお気に入りとなってるのだ。
何にそこまで「いいじゃん!」って思わされたのかといえば、まずは大阪に向かって走り出す前、横浜市内で撮影のためにチョロチョと移動してたときにジワリと来た、サイズ感である。全長3830mm、全幅1610mm、全高1615mm。見た目でももちろんわかるのだけど、走りはじめたら一発で「ううむ……」と唸らされるくらい心地よくコンパクトな車体、だ。
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その寸法は軽自動車よりは大きいけれど、トヨタ・ヤリスよりホンダ・フィットより日産ノートよりマツダ2より、はっきりと小さい。そもそも大きなクルマが好きで小さなクルマに関心のない人に端から刺さらないかも知れないが、好みだったり環境だったり技量だったり年齢だったりとさまざまな理由から小さなクルマを選ぼうと考えてる人たちにとっては、救世主のような大きさなのだ。
最小回転半径こそ5.3mと、先ほど並べたコンパクトカー日本代表の面々と較べてちょっとばかり大きいけれど、見切りがよくて四隅を掴みやすいし、そもそも360°カメラも備わっているし警報だって鳴る。取り扱いに難儀することなど、よっぽどのことでもない限りはあり得ない。
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それでいて、車内には狭苦しさというものがないのだ。大人4人がリラックスしながら移動できそうな感じ。軽自動車よりも100mm以上ワイドだから力士だとかヘビー級の格闘家だとかが横並びに座るのでもなければ横方向のスペースは十分だし、後席の足もとなんて「ウソだろ?」と思えるくらいに広い。BEVゆえのレイアウトの自由度の高さと、完全な4人乗りと割り切って無理も無駄もない空間の使い方をしてるのが効いているわけだ。
後席は左右が独立していて、それぞれリクライニングができるだけでなく前後方向に160mmスライドさせることが可能で、確保したい足もとの広さとラゲッジスペースに積みたい荷物の量でアレンジすれば、大抵の場合はまずまず以上の快適な使い方ができるだろう。
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