インドネシアではタクシーと同じ車名だと売れない
ここで気がついたひともいるかと思うが、BYDはM6のタクシー仕様といっていいモデルをe6、そしてトヨタはアバンザベースのタクシー車両をトランスムーバーとしているのに、ホンダはBR-Vと一般自家用車両の車名そのままにタクシー仕様として設定しているのである。
これについて事情通は、「インドネシアのひとたちは、タクシー仕様と自家用仕様で同じ車名となるのを嫌う傾向があります。そのため、BYDやトヨタではあえて車名を変えています。ホンダはモビリオのときも車名を変えずにタクシー仕様を設定したのですが、案の定『タクシーとしても走っているクルマ』ということもあり、一部消費者のなかには快く思わないひともいて、販売は苦戦状況が続いたとも聞いています」と話してくれた。
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それでも、今回も引き続き車名を変えずにBR-Vタクシーとなっている。他メーカーがやっていることに同調したくなかったのか、それとも現場から上層部への報告にて理解が得られなかったのか、また販売統計上タクシー向けフリート販売台数もBR-Vの販売台数に加えたかったのか、その背景はなかなか複雑なものがありそうだ。
また、ほかのトピックとしては、2024年12月よりベトナム・ビンファストのBEVタクシーがインドネシア市場で正式に運行を開始した。単にブルーバード・グループなどインドネシアのタクシー事業者がビンファスト製車両を導入したのではない。ビンファストを傘下にもつビングループ系の電動バイクのレンタルやタクシー事業を手掛けるGSM(グリーン・スマート・モビリティ)のBEVタクシーサービス「Xanh SM」が、ビンファスト製車両を携えてインドネシアでサービスを開始したのである。
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ブルーバード・グループの青いタクシー車両ほどではないものの、すでに街なかでは数多く見かけたが、帰国する際、タクシー車窓からジャカルタ中心部よりやや離れた場所にて、未登録のビンファスト車のタクシー用在庫が軽く100台以上置いてあるストックヤードが見えた。再びジャカルタを訪れたとき、どうなっているのか、なんだかいまからワクワクしてしまう。
ビンファスト製のタクシー車両はLimogreen(リモグリーン)が車名となるが、ベースは自家用仕様のVF5となる。ビンファストはベトナム本国でもタクシー車両を供給しているが、やはり車名を変えている。インドネシアでは、タクシー車両はベース車と車名を変えるのが基本的な流れのなか、頑なにベース車両と共通車名でタクシー車両を供給するホンダの思惑がまずます気になってしまっている。
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さらには、お試し導入でBEVタクシー導入しているブルーバード・グループが、本格的に車両のBEV化に舵を切るのか(そのときはBYD車両となるのか)、もしそのようなことになった場合、現状ICEながらタクシー車両供給では圧倒的に多いトヨタがどう出るのか、インドネシアのタクシー業界からますます目が離せなくなってしまった。