今後の日産は怒涛の車種展開で再起に賭ける
今後の日産は、小型/普通車ではe-POWERを進化させて勝負していく。国内市場に投入する車種は、まず軽自動車の次期ルークスがある。2025年8月22日にデザインが先行公開され、販売店によると、9月19日ごろに発表を行って受注も開始する。納車を伴う発売は11月中旬だ。
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その次に登場するのは次期リーフで、これも外観などが公表された。発売は2026年2月ごろだ。航続可能距離を伸ばすために駆動用リチウムイオン電池を拡大して装備も充実させるから、価格は550万〜700万円に高まりそうだ。
2026年の後半には、次期エルグランドが登場する。全高を1900mm前後に高めて、現行型の迫力に欠ける外観を改善する。3列目シートも床と座面の間隔を広げて着座姿勢を最適化して、格納方法も左右跳ね上げ式に変わるから使い勝手も改善される。
次期エルグランドのパワーユニットはe-POWERのみで、第3世代に進化する。エンジンを高効率な一定の回転域で静かに作動させ、優れた燃費効率と電気自動車に近い滑らかな運転感覚を両立する。
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この後に悪路向けSUVのパトロールを発売する。ただし、パトロールの利益は多いが、販売規模は小さいため、車両はすでに完成しているのに発売時期は遅れてしまう。
このほか、2026年には海外で発売されている次期キックスも登場するだろう。全長が4370mm以下のボディは日本でも運転しやすく外観はカッコイイ。コンパクトSUVは、日本では人気が急上昇しているカテゴリーなのに、現行キックスは売れ行きが低調だ。パワーユニットは現行型と同様にe-POWERだが、排気量が1.4リッター、あるいは1.5リッターのタイプに刷新される。
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電気自動車では、欧州仕様のマイクラを投入する可能性も高い。前述のとおり、リーフの価格が高まるからだ。
以上のように今後の日産は、主にe-POWER搭載車と電気自動車を投入し、車種の数は減らしてグレードを増やす。
この戦略がわかりやすいのは、2025年8月に実施されたエクストレイルのマイナーチェンジだ。SUVでありながら舗装路でスポーティな走りを味わえるNISMO、SUVのアウトドア指向をさらに強めたロッククリーク、上質な走りを味わえるオーテックスポーツスペックも選べる。
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ノート&ノートオーラも、ひとつの車種に実用的で買い得なノート、豪華指向のノートオーラ、スポーティなノートオーラNISMO、SUV風のオーテッククロスオーバーを用意する。今後の日産は、次期エルグランドも含めて、「車種は少なくグレードは多く」という低コストの商品開発で生き残りを図る。