この記事をまとめると
■タクシーは営業区域外ではなければ自由に営業運行できる
■夜の銀座はベテラン以外は近寄ってはいけないと指導しているタクシー事業者もある
■東京に不案内なひとが多い場所もベテランドライバー以外は避けるよう指導されている
タクシードライバーにはいくつかの掟が存在する
東京のような大都会であれば、道を流して通りでタクシーに乗りたいお客を乗せる流し営業ができるし、JRの構内証があれば、好きな駅のロータリーで客待ちすることもできるなど、営業区域外ではなければ自由にタクシーで営業運行できるのだが……。
駅のロータリーで客待ちをするタクシー画像はこちら
タクシー事業者によっては「ベテランでないのなら行ってはいけない」という場所も存在する。今回は東京23区及び武蔵野・三鷹営業区域でそれを見ていこうと思う。
最初はあまりにも有名なところで「夜の銀座」がある。高級クラブなどが建ち並ぶ銀座では、夜10時から翌午前1時まで定められた区域内では、決められた乗り場でタクシーに乗らなければならない決まりになっている(月から金曜日の平日のみ/銀座乗車禁止地区[乗禁地区])。
夜の銀座画像はこちら
タクシー乗り場が乗禁地区では用意されているのだが、各乗り場からぞれぞれ入りやすい首都高速の入口があることが多く、そのためそれぞれの乗り場ではそこでタクシーに乗るお客の目的地はだいたい同一方向となることが多いそうだ。たとえば常磐自動車道に向かう首都高へ入りやすい乗り場だと、「茨城県取手市の●●まで……」とお客が行き先を伝えて、「そこはどこですか」みたいな返事をするとたちまちクレームになることが多いようだ。
銀座の高級クラブで飲食するのだから、たとえハイヤーではなくタクシーで帰るとしても、それなりに社会的地位の高いひとで、タクシーの長距離利用に慣れているひとも多い。だいたい常磐自動車道に向かうことが多い乗り場で待機しているのに、「そこはどこでしょうか?」みたいなことは夜の銀座ではなくともなかなか恥ずかしいことともいえるので、よほど経験を積むまでは、「深夜の乗禁地区は近寄らないこと」と新人運転士などに教えるタクシー事業者も多いようだ。