東京に不案内なひとを乗せるとトラブルになることもある
羽田空港については、ナンバープレートの末尾(偶数日が末尾偶数、奇数日なら末尾奇数)で入構規制をかけているのだが、事業者によっては一定キャリア以上積んだ運転士以外は「羽田は行ってはダメだよ」というところもあるようだ。
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羽田空港は全国から東京及び首都圏に向かい降り立つひとがタクシーを利用することになる。都内にあまり詳しくないひとが利用することも多いので、ベテランが適任となっているようだ。また、東京ではなく神奈川や千葉、埼玉、さらには北関東3県などへ向かうため利用するということも珍しくない。銀座と同じだが、東京隣接県の道路についてもある程度明るくないとトラブルのもととなるようである。
お台場地区も経験年次の少ない運転士は近寄らないようにといわれることもあるようだ。東京及び首都圏在住者以外のひとが多くいて、タクシーを利用する機会もあるというのは羽田空港と状況は似ている。また、都心に近いのだが、レインボーブリッジなどを使って都心に向かうので、意外なほど料金がかかってしまうので、ここらあたりも、乗せるときにあくまでお客を見ての判断となるが、「結構料金かかりますけど……」と念押しするような接客ができる余裕が必要とのことで、ベテランが望ましいとされているのかもしれない。
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テレビ局関係者の送迎は大口取引先なのでもちろん限られたベテラン運転士のみが担当することになる。また、大手企業の入るインテリジェンスビル、五つ星外資系ホテルなども新人や経験がまだ浅い運転士は近寄るなと指導されるケースもあり、無事故・無違反の長い指導者としても活躍する運転士のみが近寄ることが許されることもあるようだ。もちろん、街なかで流しで乗せた客を送り届けるというのはこの限りではない。しかも、あくまでも客待ちを控えるようにということになっている。
傾向としては、タクシーに乗り慣れているひとがよく利用する場所か、逆に東京都内の地理に不案内なひとを乗せるケースが多くなりがちな場所は、ベテランに任せたほうが理想的となっているように見える。いまどきはカーナビが当たり前のようにタクシーについているが、利用客がリクエストせずに運転士から積極的に使っていれば、それを「プロなのに」と快く思わないひともまだまだいる。無事故で乗客からクレームも少ない運転士は有利な乗り場だけではなく、最近はスマホアプリ配車でもおいしい配車を優先的にとることができるとも聞いている。
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新人や経験が浅いからといっても問題なく運行することができるかもしれないが、リスクを極力排除したいということで「近寄らないように」としているのではないだろうか。