この記事をまとめると
■災害で冠水・放置された車両が車上荒らしに遭う事例が各地で発生
■東日本大震災時には大量のETCカードが盗難され、不正利用に悪用された
■被災時は車検証や貴重品を必ずもち出し、車内に残さない心構えが重要
クルマに貴重品を放置するのはNG
自動車窃盗に関する報道を目にする機会が多い。盗難防止機能が充実している高額人気車がいとも簡単に盗み出されてしまう瞬間が、防犯カメラ映像によってテレビニュースで流れたりすることも多い。しかも、いくら最新式のものへアップデートしても、窃盗団がすぐに盗難防止装置を無効にしてしまうということで、いたちごっこが続いているようである。クルマにかかわる窃盗案件としては、クルマ自体を盗むだけではなく、車内にある金目のものを盗む車上荒らしも古くから発生している。
車内に放置されたままの貴重品画像はこちら
酷暑の続く日本列島であるが、それと同時に線状降水帯なるものが各地で発生することで記録的な豪雨をもたらし、河川の氾濫などを招き各地に甚大な洪水被害をもたらしている。河川が氾濫してしまうと、あっという間に住宅地などに水が流れ込んでしまうようで、道路を走っていたクルマも逃げる間なく冠水被害を受けてしまうとのことである。先日、ある洪水被害地域で冠水して道路上に放置されていた複数の車両の車内から金品が盗まれていたという事件が報道されていた。
大きな地震が発生したときなど大災害が発生したら、発生時にはクルマをすみやかに道路端に停め、しかもカギをかけずにカギを車内に置いたまま避難することが教則に記されている(ただし、車検証や金品など貴重品は車外にもち去るようにとしている)。今回は大地震でもないし、それぞれの被害車両がロックをしたかどうかは確認できないが、その場に放置したままにしておいたら、周辺の数多くの放置車両が車上荒らしに遭っていたというのである。
クルマのカギを挿したままにしているようす画像はこちら
2011年3月11日、東北地方を中心に甚大な被害をもたらした東日本大震災が発生した。広範囲の地域にわたり地震後に大きな津波が襲来し、沿岸部では大量の車両が津波被害を受け、道路に限らずそこかしこに津波で押し流された不動車が山積みとなった。地域がどこかまでは定かではないのだが、震災が発生した3月11日の夜には、停電で真っ暗ななか、不動車から大量のETCカードがもち去られたと当時聞いたことがある。盗んだETCカードはもちろんさまざまな不正利用に使われたとのことでもあった。
ETCカードは差しっぱなしでもいいのでは? との話もあるが、やはり目的地に到着したり、自宅へ戻ってきた時などはETCカードは抜いていたほうがいいようである。
ETCカードを抜くイメージ画像はこちら
電車などで財布をスリ被害に遭ったりすると、盗まれたクレジットカードが瞬時に利用限度額いっぱいまで使われたといった話も聞いたことがある。
車内に水が入り込み、クルマが動かなくなったりすれば落ち着いた判断ができなくなるのが当たり前ともいえるが、残念ながら治安悪化に歯止めのきかない現状では、犯罪に巻き込まれないためにもETCカードも含めて金品を車内に置いたままにしないで避難するということを肝に銘じておいたほうがよさそうだ。
クルマに限らず、被災しただけでも大変なのに、被災後の防犯をも心がけなければならないというのはなんともやりきれない話である。