【試乗】ハイブリッドなのにメチャクチャ楽しい! 新型プレリュードは「エンジン感」「変速感」が思いっきり味わえる「ザ・ホンダ」なスポーツクーペだった (1/2ページ)

この記事をまとめると

■新型プレリュードにモータージャーナリストの桂 伸一さんが試乗

■S+シフトの完成度の高さが際立った

■全体的に優雅かつ速く走れる仕立てとなっている

新型プレリュードにワインディングで試乗!

「ほぼ量産型」といえる状態のプレリュードに試乗した。テストコース内でのプロトタイプのリポートもすでにお伝えしているが、ナンバー付きの公道走行が叶うのは果たしていつなのか、じれったい。

 とはいえ、いち早くプレリュードの魅力を伝えるべく「先行試乗会」が国内で実施されたのは、メインターゲットのアメリカや欧州よりも先に、日本から販売を開始するからだ。

 白いボディ色のときはわかりにくかった造形が、赤や黒やグレーではより鮮明に確認できる。くちばしを下げた形状のノーズは薄く、ルーフはフロントウインドウ上端からリヤエンドまで流麗に弧を描く。抑揚のあるサイドビューの造形も含めて、独創的なデザインにホンダらしさが表れている。

 ドラポジは難なく決めることが出来る。ステアリングはグリップ形状もよく考えられており、パドルの位置も適切だが、クルマのキャラ的にはもう少し小径でもいいかもしれない。アクセルペダルを踏み込むと、深いストローク量に驚く。それが意味するところは、スポーツクーペであってもゼロスタートからトルク/パワーを繊細に操りながら優雅で滑らかな走行ができ、速度コントロールがしやすいということだ。

 試乗コースは伊豆サイクルスポーツセンター内のツイスティなマウンテンコース。占有のクローズドコースだから対向車もなく存分に走行性能が確認できた。

 商品説明でアピールされた「空を自由に滑空するグライダーのように!!」というコンセプトが印象に残っているせいか、プレリュードは走りはじめてすぐに「走る、曲がる、止まる」という一連の動きがドライバーの意図した以上にスムースで滑らかに感じられる。まさに滑走する感覚でコースティングと加減速を繰り返し、コーナーをヒラヒラと舞うように駆け抜ける。

 シビックタイプR譲りのサスペンションとショートホイールベースに加え、個々にブレーキを制御する「アジャイルハンドリング」によって、自由自在のハンドリングを実現しているのだ。

 パワーユニットは141馬力/182Nmを発揮する2リッター直噴アトキンソンサイクルの直列4気筒エンジンに、184馬力/315Nmの2モーター内蔵式電気式CVTを組み合わせたホンダ独自のハイブリッド、e:HEVだ。

 e:HEVはバッテリー残量が多いときにはモーターのみでスタートも行うが、すぐにエンジンも始動して発電を開始する。基本はモーター主体で、高速巡行で条件が揃うとエンジンのみでも走行する。基本的にエンジンは車速なりか、やや高回転で推移するのが従来のe:HEVだ。

 その走行フィールにエンジン回転の上下はあるものの、車速や加速Gに完全には同調はしておらず、いわゆるCVTらしいゴムバンド感があった。


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