「全部載せ」はムダの可能性アリ! 新車購入のときの装備の見極め方 (2/2ページ)

自分にとって必要な機能の見極めが大切

 電動スライドドアにしろオートエアコンにしろ、あれば便利な機能であることに異論はなくとも「ないとストレスに感じる」というケースもあるだろう。このあたりの判断には個人差が大きいだろうが、自分にとって不要な機能を省くことは、ある意味で自分のニーズを理解したスマートなドライバーの証明といえるかもしれない。

 最近は見かけることが少くなったが、無塗装バンパーを選ぶユーザーは、そうした割り切りがはっきりとしている人が多いのだろう。単純にいえば、バンパーは塗装されていたほうがスタイリングはスマートに見えることが多い。しかし、無塗装というのはちょっと擦ってしまったときに目立たないというメリットがある。大きく破損したときの修理代も塗装が不要なので安価に済ませることが期待できる。

 もっとも、無塗装バンパーには無骨さや道具感といった表現上の魅力もある。最近では、ルノー・カングーの無塗装バンパー仕様が、そうしたスタイリングでの主張から人気を集めていたのは記憶に新しい。

 さて、今後の省かれる装備として注目しておきたいのがカーナビやインフォテイメントシステムだ。音楽についてはスマートフォンとBluetooth連携させることができればいいので、大がかりな車載オーディオは不要といった流れもある。

 たとえば、ホンダの軽EV「N-ONE e:」の廉価グレードはディスプレイ非装着を前提としたインパネデザインとなっている。近所しか走らないのであれば、「カーナビはいらない」という流れが生まれつつあるのだ。ほとんど使わないナビ機能を省くことで十数万円のコストダウンができれば、そちらのほうを歓迎するというユーザーも増えてきそうだ。

 いずれにしても、自分にとって不要な機能に大枚をはたくというのはナンセンスといえる。リセールバリューを考えるとつけておいた方が有利という機能があることも事実だが、その機能がなくてもストレスを感じないのであれば、そこにコストをかけてしまうのは無駄遣いだ。インフレが進む現代、自分にとって必要な機能に割り切るという視点で、賢いクルマ選びをしていってほしい。


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山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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スズキ・エブリイバン(DA17V・4型)/ホンダCBR1000RR-R FIREBLADE SP(SC82)
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