グランドツアラーとタイプRの融合
プレリュードのシャーシや足まわりは、ホンダのフラッグシップスポーツであるシビックタイプR(FL5型)と共通としていることから、走りの楽しさは群を抜いているという。ちなみに生産は埼玉県の寄居工場、ブレーキまわりなどを見た感じ、シビックタイプRと同じくPCD120だろう。タイヤサイズは235/40R19だ。
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ハイパフォーマンス仕様のタイプR、タイプR譲りの楽しさを普段のドライブでも気軽に楽しめるプレリュードと、なんとも贅沢な2つの選択肢をホンダはユーザーに用意したことになる。
井上氏は、「ホンダはF1を筆頭とした、モータースポーツの現場でクルマを鍛えてきており、いつの時代も操る喜びを提供してきました。人(他社)と違うクルマを作ってきたのも我々のアイデンティティなので、期待してほしい」とも語ってくれた。
プレリュードの販売エリアは最初は日本、北米、欧州の3つとし、北米では2025年冬、欧州では2026年前半あたりを目標に現在調整中とのことだ。
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価格は617万9800円で1グレード展開、9月5日より正式受注を開始し、月販目標は300台、年間で3500台としている。なお、オンライン販売限定モデルの2トーンカラーバージョン、「Honda ON Limited Edition」もラインアップされる。こちらは648万100円だ。
ちなみに、全国のホンダカーズにおいて、ホンダでは初の試みとなる、新型車のレンタカーサービスも検討中で、より多くの人に乗ってもらえる機会を提供するとも発表した。
巷では、「高すぎる!」、「全然プレリュードらしくない!」、「若者は買えないだろ!」、「MTがない!」なんてネガティブな声も散見するが、この時代にここまでキャラの濃い、ある意味特殊なクルマを量産車として出してきたホンダの熱意には脱帽だ。デザインばかりは人それぞれ好みがあるが、筆者の個人的には流麗なボディラインは美しく見えるので、プレリュードというキャラクターに相応しいと感じている。
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今の時代、残価設定ローンを筆頭に、今回のプレリュードはレンタカーでちょっと楽しむという手段までも用意されている異例の1台。つまり、乗ろうと思えば誰でも乗れるのだ。
MTの存在も期待したかったが、それならば、ホンダにはタイプRという究極のFFスポーツが存在する。じつは9月4日より、レーシングブラックパッケージが、プレリュードと同じ617万9800円で選べるようになっている(価格は上がってしまったが……)。新世代の新しいスポーツクーペとして考えれば、ハイブリッドスポーツカーという選択肢として割り切れば、”アリ”なはずだ。
商品群に2ドアクーペがそもそも存在しなければ、ユーザーは選びようがないが、選ぶ選ばないという最低限の選択肢をユーザー側に提案してくれただけでも、プレリュードを販売する意義は今の時代、大いにあると思う。
新時代のホンダを予見させる前奏曲(プレリュード)に相応しい1台が世に出たことを、素直に喜びたい。