「シャシー折れてね?」と思ったらこれで走るだと!? スバッロが作ったゴルフGTIは魔改造にもほどがある!! (2/2ページ)

リフトアップ状態で全開走行可能!

 と、ここまでなら、スバッロを元祖魔改造とまでは呼びません。ゴルフターボのハイライトは、ご覧のとおりリヤボディのリフト機構にあるのです。

 そもそもはエンジンのメンテナンスを考慮して、ボディシェルごともちあげることが主眼だったはず。ですが、リフトした状態で最高速域まで走行可能というのがスバッロらしいポイント。あたかも、ドラッグレースのトップフューエルがバルーンタイヤでリヤがもち上がったかのようなスタイル。それが330馬力で突進するのですから、いい意味で「ちょっと頭おかしくね」と畏敬の念すら抱かれるわけです(笑)。

 リフトさせて走行できる理由について、スバッロ本人は「信号待ちで隣りに速そうなクルマがならんだらこっちのもので、青になった途端に猛ダッシュを決めるんだ。すると、置いてきぼりにされたクルマはゴルフターボの後ろ姿を見てあっけに取られるだろう」とドヤ顔を浮かべたとか。

 実際、記録写真を見る限り、スバッロ本人が試乗しているだけでなく、いずれもニヤニヤと笑みを浮かべているのがわかるはず。やっぱり、ちょっと可笑しいですね(笑)。

 なお、ゴルフターボは1982年に1台のみが作られていますが、この後スバッロは、ゴルフ300Sと称してポルシェ928用のV8エンジンを搭載したモデルもリリースしています。が、こちらはフロントにV8を押しこんでのFR化。顧客のオーダーだったのか、残念ながらボディリフトは備えていませんでした。


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石橋 寛 ISHIBASHI HIROSHI

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