幻の米製スーパーカー! V12に4機のターボで400km/hを狙ったクライスラー「ME4-12」計画がいま復活の噂!! (2/2ページ)

クライスラー100周年の節目にリバイバルの可能性も

 一方、シャープでかつダイナミックなラインを組み合わせることで独特なアピアランスが実現されたボディは、当時のクライスラーのデザイン部門を率いていたトレバー・クリードの手によるものだ。スリーサイズは全長×全幅×全高で4542×1990×1140mm。ボディパネルの多くをCFRP製としたことで、車重をわずか1306kgに抑えたことも大きな話題だった。

 前後のサスペンションはステンレス製のプッシュロッドを備えるダブルウイッシュボーン。スタビライザーは空気抵抗を考慮して翼断面形状にデザインされるなど、ここにもまさに最新のレーシングカーそのものといえるエンジニアリングが展開されていた。

 0-100km/h加速で2.9秒、最高速では400km/hを達成するとされたME4-12は、当初の計画ではそのプロダクション化も視野に置かれたコンセプトカーだったが、残念ながらその夢は実現しないまま20年以上の時間が経過するに至った。

 だが、2025年に入ってふたたびME4-12の存在は世界で再注目されることになる。2025年に創業100周年を迎えたクライスラーが、それを記念するアニバーサリーモデルとして、最新のエンジニアリングによってさらなる進化を遂げたME4-12を発売するのではないか、という噂が流れたからだ。

 はたしてこのプランは、クライスラーのなかで本当に進行しているのだろうか。その真偽は定かではないが、実際にそれが誕生するとなれば、現在ではやや存在感が希薄になってしまったクライスラーというブランドの復権に、大きな助力となることは間違いないだろう。今後のさらなる情報を心待ちにしたいところだ。


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山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

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