ブレーキ制御は課題だが高い安定感を発揮 もちろん課題も多く、寺川選手によれば「CX-5ではブレーキの制御に苦労したんですけど、CX-60も対策をしていないので、姿勢制御への介入が出てくると思います。それでも、CX-5と比べるとブレーキ制御が緻密になってきたし、安定感も感じられたので姿勢制御の特性を理解してドライビングすればネガは少ないと思います。路面がタフなので、初期トラブルが出てくる可能性はありますが、パーツの信頼性を含めて、ラリー北海道でチェックしていきたいと思います」とのことだ。
こうして万感の思いを乗せてデビューを果たしたCX-60だったが、ファンの期待に応えるかのように寺川選手/石川選手のMAGIC TY MAZDA CX-60は、6日のレグ1から素晴らしい走りを披露していた。
寺川選手と石川選手が操る117号車「MAGIC TY MAZDA CX-60」 画像はこちら
「楽しかったですね。多少、ブレーキの制御は入っていますが、タイムロスにもつながっていないし、大きなトラブルもなかったですからね。パウセカムイのようなフラットなコースは得意としているのでタイムもいいんですけど、ヤムワッカのようなハードなコースでは、足まわりがノーマルに近いのでライバル車両の走破性に負けていると思いますが、それでもタイム的には悪くないので満足しています」
そう語る寺川選手の言葉どおり、MAGIC TY MAZDA CX-60はSS1から3回連続でXC-2クラスの2番手タイムをマークしたほか、SS4でベストタイムをマーク。さらに、SS5、SS7、SS8でもベストタイムをマークするなど、合計4回のSSウインを獲得したことによって、MAGIC TY MAZDA CX-60はXC-2クラスの2番手でレグ1をフィニッシュした。
寺川選手と石川選手が操る117号車「MAGIC TY MAZDA CX-60」 画像はこちら
翌7日のレグ2もMAGIC TY MAZDA CX-60は好調で、この日のオープニングステージとなるSS9でベストタイムをマーク。その後も寺川選手/石川選手は2番手タイム、3番手タイムをマークすることでポジションをキープし、2位入賞で表彰台を獲得した。
表彰台を獲得した寺川選手と石川選手 画像はこちら
こうしてCX-60のデビュー戦でポディウムフィニッシュを果たした寺川選手は「初戦で2位に入賞できたのでよかったです。レグ2のセカンドループは路面が荒れていたので少し抑えたんですけど、ペース的にはよかったと思います。どうしてもブレーキなどの制御介入はありますが、ほぼノーマルの状態で楽しく走れましたし、デビュー戦ですでにCX-5より速いタイムを出せているので、圧倒的にポテンシャルはあります」とのこと。さらに寺川選手は、「いろいろと細かい部分で課題が見つかったので、伸び代を感じています」と期待を寄せる。
残念ながら2025年におけるCX-60での競技参戦はこのラリー北海道で終了となるが、デビュー戦で素晴らしいパフォーマンスをみせただけに、ラリーファンとして、2026年の活動継続とさらなる進化に期待したいものだ。
「ラリー北海道」を快走したマツダ「CX-60」に期待膨らむ 画像はこちら
なお、XC-2クラスではトヨタ・ハイラックスの番場 彬選手が優勝したほか、全日本ラリー選手権のJN-1クラスはシュコダ・ファビアを駆る新井大輝選手が優勝。そのほか、JN-2クラスはGRヤリスの大竹直生選手、JN3クラスはGR86の山本悠太選手、JN-4クラスはFTOの小舘優貴選手、JN-5クラスはヤリスを駆る松倉拓郎選手、JN-Xクラスはアクアの天野智之選手がそれぞれクラス優勝を獲得している。
XC-2クラスを優勝した番場彰選手が操るトヨタ・ハイラックス 画像はこちら