【試乗】大阪万博でも人気のダイハツ「e-SNEAKER」に乗ってみた! 若者でも受け入れられる仕立てはアッパレもメインユーザーとなる高齢者にはやや難易度高め (1/2ページ)

この記事をまとめると

■大阪・関西万博ではダイハツの「e-SNEAKER」が運用され人気を博している

■一般向けの販売も全国のダイハツディーラーで行われている

■歩行者扱いとなるので最高時速は6km/hとなり運転免許などは一切不要だ

万博会場で大人気な電動パーソナルモビリティが販売開始

 2025年4月13日より大阪・夢洲で開催中の大阪・関西万博(2025年日本国際博覧会)で多くの来場者に貸し出され注目を集めている、ダイハツの電動パーソナルモビリティ「e-SNEAKER(イースニーカー)」がついに市販化。8月25日より全国のダイハツディーラーで販売を開始した!

 ダイハツは大阪・関西万博における未来社会ショーケース事業のひとつ「スマートモビリティ万博・パーソナルモビリティ」に協賛。来場者が密集した状況になりやすい会場の特性に合わせ、フロントミリ波レーダーやタッチセンサー付き前後バンパーを装着し、障害物を検知すると1km/hまで減速し、接触すると自動停止する機能を追加。さらに外装を4種類のボディカラー・柄にドレスアップしたモデルを、計150台提供している。

 これが、メインターゲットである長時間の歩行が困難な高齢者だけではなく、若者からも注目を集めており、7月末までにのべ約2万人が利用。「楽しかった」「楽で助かった」「もっと乗りたい」、さらには「パーソナルモビリティに乗りたくて万博に来たが、すごくいい経験になった」などと大好評を博しているそう。また、猛暑の炎天下でフル稼働してもトラブルなく運用を続けており、信頼性の高さも実証する結果となった。

 なお、市販モデルの「e-SNEAKER」には、一般ユーザーの使用環境下では万博会場のように人が密集した状態にはなりにくいとの判断から、フロントミリ波レーダーやタッチセンサー付き前後バンパーは装着されていない。また、万博仕様のドレスアップは設定がなく、フロントのバスケットはディーラーオプションだ。

 しかし、市販モデルの「e-SNEAKER」でも、いい意味でシニアカー(=高齢者向けのクルマ)らしくない、スタイリッシュなデザインは健在。むしろ装備が減ったことで強調されたようにさえ感じられる。

 そんな「e-SNEAKER」のスタイリッシュさを実現する鍵の一つが、高さを3段階から調整可能なシート。納車時はもっとも高い地上高700mmに設定されており、これが一般的な自転車とほぼ同じ視線の高さ。また好みに応じて地上高630mm、555mmへ下げることも可能だ。

 乗り心地を重視しノーパンクタイプではなくあえてエア入りとされたタイヤは、フロントが8インチ、リヤが6インチと大きめ。これで安定感のあるプロポーションとしつつ、段差は7.5cm、溝は10cmまで走破可能としている。

 そのほかにも、乗り心地や安定性を高める装備が充実している。サスペンションは前後に搭載されるうえ、操舵や傾斜を検知すると自動的に減速。また登坂・降坂・左右の傾斜を検知すると、アラームとディスプテイ表示で警告する機能も実装された。

 モーターはDC24V・250Wのものが2個搭載され、後輪を駆動。駆動用リチウムイオンバッテリーは2.5kgと軽量なうえもち運びもでき、家庭用の100Vコンセントに挿せば約2.5時間で満充電完了。平坦な道であれば最高速度6km/hで約12km、つまり2時間連続で走り続けることが可能だ。

 インターフェイスは二輪車と同様で、ハンドルの右側に回転式アクセルグリップ、左側にブレーキレバーを備えたタイプ。中央にはディスプレイやヘッドライトスイッチ、1km/h単位で最高速度を設定可能な速度切替スイッチ、警報音スイッチが集約されている。

 このように、歩行者と共存でき周囲に埋没しない視線の高さと、自転車や二輪車と同様のシンプルな使い勝手や運転感覚を重視して作られたことが、随所にうかがえる「e-SNEAKER」に、ダイハツ工業東京支社の会議室内で試乗することができたのでリポートしたい。


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遠藤正賢 ENDO MASAKATSU

自動車・業界ジャーナリスト/編集

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