デビュー戦ではトラブルに見舞われるも無事完走
さて、いよいよ7月27日に筑波サーキットで開催されたデビュー戦の模様をご報告したいと思う。昨年までは6月のもてぎがデビュー戦だったが、今年は7月の筑波が初戦になった。この日は熱中症対策のため、エアコンONでの走行が義務。そして、助っ人なしの3期生ドライバーだけというのも初の試みだった。
メンバーは43号車に市原拓真/瀬川彰斗/中村匠都、44号車に佐藤真太朗/大原悠睴/能條裕貴というチーム編成。昨年までは先輩たちを最低1名は助っ人として走らせていたが、今年は参戦回数も少なくなっているためか、なるべくマイレージを稼いでもらおうという方針のようだ。この2台は「ロードスター1500 NORMAL」というクラス5での参戦。今回のエントリー30台では最多の17台が鎬を削る激戦区での戦いとなる。
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公式予選は10時25分から45分までの20分間。もちろん、ここでの順位は結果に関係ないが、やはり上位のグリッドの方が決勝レースの序盤をスムーズに戦いやすくなることは確かだ。43号車はベストが1分12秒888でクラス2位、44号車は同じく1分13秒846でクラス5位という結果。デビュー戦としては見事だ。
ここからは決勝に向かっての作戦を練ると同時に、マシンをクールダウンさせて、燃料をなるべく多く給油できるように各チームが知恵を絞るインターバルになる。じつは筆者はこの日もまったく別のチーム、別のクラスのマシンで参戦していたので、彼らと同じように必死で決勝に向けて準備していた。日陰になるガレージに収めて、一生懸命にマシンを揺らしながら給油していたのは、自分たちも同様だった。
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この日の筑波は今年の酷暑を象徴するようなコンディション。すでに正午過ぎに気温は35℃を越える猛暑日となり、レースでは重要な要素になる路面温度も60℃を突破。そして、いよいよ13時30分から150分間の決勝レースを迎えることになった。
と、そこで43号車にいきなり事件が発生。なんとローリングラップ中のコース上でストップしてしまい、スタートがディレイに。ただし、ピットからスタートした後は大きなトラブルはなく、105周を走り切った。もう1台の44号車は目標としていたノーペナルティでの完走を達成。43号車より1ラップ多い106周を走破。最後はピットからの指示を受けて、2台でランデヴー走行してチェッカーを受けることができた。
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最終的には、44号車がクラス7位、43号車はピットスタートになったことで2周減算という裁定を受けてクラス10位。このクラスは規定により6位までが表彰対象となるため、惜しくも入賞を逃すという結果に終わった。
このプロジェクトを率いるマツダのブランド体験推進本部の後藤憲吾主幹は「悔しいかもしれませんが、結果はいまの実力じゃないでしょうか。チームに一体感が出てきたので、次に繋げていきましょう」と総括した。ドライバーたちは、「完走は素直に嬉しい」と同時に「次はもっといい結果に」と皆が口を揃えていた。次の戦いは10月5日の富士スピードウェイ。マツダファンフェスタという大舞台での活躍を期待したい。