この記事をまとめると
■近年はショートキャブの大型や中型トラックなどで多くの荷物を運ぶ策が講じられている
■小型トラックで人も荷物も運びたいと思ったらWキャブトラックが最適だ
■Wキャブトラックは普段乗りとして使えるほどの利便性や快適性をもち備えている
後部座席が存在するWキャブトラックの利便性に迫る
荷物を運ぶために開発されたトラックは、当然のことながらボディと呼ばれる荷室を装備している。運ぶ荷物に合わせてボディの形状を選択しなければならないのだが、その積載スペースの広さを重視する傾向が強い。近年では寝台スペースを排除したショートキャブの大型や中型トラックが開発されているように、より多くの荷物を運ぶための策が講じられているのである。
大型トラックを例に挙げてみると、車体の全長は12m以内と定められている。そこに従来の寝台つきフルキャブを組み合わせると、ボディの全長は9.6m程度となる。しかし、寝台スペースが排除されたショートキャブを選択すると、10m超のボディを載せることが可能となるのだ。過積載には気をつけなければならないが、とにかく多くの荷物を載せることがトラック業界では求められているのである。
ショートキャブのトラック画像はこちら
しかし、トラックといってもさまざまな形態のものが存在する。荷物を運ぶという面においては共通しているのだが、食品や飲料などダンボール箱に詰められた販売目的の荷物とは異なり、作業に使う道具や工具などを積むために小型トラックを活用するというケースもあり、いわゆる職人車と呼ばれるクルマだ。住宅や店舗などの建設に携わる職人たちは、使用する専用の道具や機械を現場へと運ぶために、小型トラックを使用しているのである。
そんな職人たちは、ハイエースなどのワンボックスカーを選ぶケースも多い。小型トラックであれば3名しか乗車できないが、ワンボックスカーであれば最大6名が乗車でき、後部の荷室スペースに道具を積むことができる。さらには天井があるため、雨に濡れないという強みも備えているのだ。
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しかし、小型トラックも負けてはいない。人も荷物も運べるという、Wキャブトラックというものが存在するのだ。これは文字どおり、トラックのキャビンが従来の倍に拡張されたもの。そのため、3名が座れる前席と後席が存在し、かつ後部の荷室はトラックのボディとなっているため、背丈のある機械や道具などを積載することができるのである。
そんなWキャブを筆者も過去に所有していたことがある。仕事ではなく趣味で購入したものであるが、やはり広い車内がとても魅力的だった。デコトラのようなカスタムをするには制限が多くなるのだが、普段乗りとして使えるほどの利便性や快適性をもち備えているのである。しかも、一般的なWキャブトラックの全長は5mに満たないため、普通乗用車と変わらない。そのため、コインパーキングにも難なく駐車することができるのだ。
小型Wキャブトラックのフロントスタイリング画像はこちら
大きな機械などの荷物を積まないのであれば、ハイエースやキャラバンなどといったワンボックスカーも便利である。しかし、筆者のようなデコトラ好きやトラックにこだわりたいような人には、Wキャブのトラックをオススメしたい。乗用車と変わらぬサイズでありながらトラックとしての機能をもち合わせたWキャブのトラックは、仕事にも趣味にも適した夢のような存在なのである。