ん? 気のせいか今年の夏は燃費が悪かった?? それ事実です! 酷暑でクルマの燃費が落ちるさまざまな要因

この記事をまとめると

■暑いとクルマは燃費の悪化やパワーダウンを引き起こす

■エアコンのフル稼働や吸気温度上昇などが原因だ

■5〜10馬力ほどの損失があると言われている

暑いとクルマもバテる!?

 今年の夏は暑かったー……といった具合で、もう思い出したくもないぐらい猛暑が続いたので、ヘロヘロ、バテバテになった人も多いだろう。

 ちなみに、暑いとバテるのは人間だけでなく、クルマも元気がなくなり力があまり出ない。その結果、真夏は顕著に燃費が悪くなるのだ。

 その最大の理由は、暑い日はエアコンをフル稼働させることになるから。

 エアコンのスイッチを入れるとコンプレッサーが回転し、冷媒ガスが循環して冷気を作り出すわけだが、このコンプレッサーをまわすのはエンジンの力。

 暑いときにエアコンをガンガンまわすと、このコンプレッサーにパワーを喰われ、エンジン出力のうち5~10馬力を損失するといわれている。

 5~10馬力もエンジンパワーが食われているのに、普段どおりの加速や速度を求めるとなると、必然的にエンジンの回転数を上げるしかないので、それが燃費に影響するわけだ。

 また、一時停止しているときも、エアコンの負荷でエンストしないように、自動的にアイドルアップ機能が働くので、アイドリングの回転数が上がり、燃料の消費量が増えてしまう。

 さらに、外気温が高ければ空気密度が小さくなるので、同じ体積でもそこに含まれる酸素は少なくなる。酸素が少なければ、それに合わせて噴射される燃料も減るので、エンジンパワーはダウンする(実質的には排気量が小さくなったのと同じ)。

 一般的には、エンジンの吸気温度が4度上がるとエンジンパワーが1%ダウンするといわれているので、大雑把にいえば、外気温が40℃の真夏と0℃の真冬では、同じエンジンでも10馬力の差が出てしまうことになる。

 おまけに、吸気温度や水温が一定以上に高くなると、エンジンを守るためにリタード(点火時期の遅角+燃料増量による燃料冷却)が入るので、一層パワーダウン&燃費悪化が進んでしまう……。

 そのほか、夏の週末は行楽地に向かう高速道路も、大型商業施設の周辺も渋滞しやすい。同じ走行距離でも渋滞区間が長ければ、燃費はかなり落ちるので、こうした影響も見逃せない。

 このように、酷暑の時期は悪条件がいくつも重なってしまうので、燃費が悪くなるのは避けられないと思っておこう(寒冷地では夏よりも冬の方が燃費が悪いというデータもあるが、その話はまた別の機会に……)。


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藤田竜太 FUJITA RYUTA

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