FR+直6エンジン+6速MTなんてクルマ好き垂涎の装備詰め合わせ! しかもワゴンって……アルテッツァジータにいまこそ復活希望!! (2/2ページ)

クルマ好きを唸らせた

 パワーユニットは3リッター直6のBEAMS・2JZ-GE型(220馬力/30.0kg-m)と、2リッター直6のBEAMS・1G-FE型(160馬力/20.4kg-m)の2本立て。駆動方式は、3リッターには基本の2WD(FR)に加えて4WDを用意。

 ミッションは3リッターモデルの2WDに、AI-SHIFTなど先進の制御技術を駆使したスーパーインテリジェント5速ATを採用。2リッターモデルには4速ATのほか、2速から5速までのつながりがいいクロスギアレシオとした6速MTも用意され、国産車では希少かつマニアックなスポーティワゴンとしての存在を示したのである。

 しかも、価格は「AS200(2WD・6速MT)」の218万円~300万円と、若者でも買い求めやすいFRレイアウトの、クルマ好き、走り好きを唸らせる希少なワゴンタイプのスポーティモデルだったのだ。

 そして何しろベースとなったアルテッツァは、海外ではレクサスISの初代モデルとして販売され、2005年の国内レクサス展開以降はレクサスISとして売られていたプレミアムなスポーティモデルでもあった(そのためアルテッツァは2005年に1代限りで消滅)。

 2002年の一部改良で、RS200(6速MT)の装備を厳選した、より買いやすい価格設定としていたことも、若者や自動車業界関係者、つまりクルマオタクにウケた理由と言っていいだろう。

 2リッターエンジンと6速MTの組み合わせでは、直6らしい高回転まで発揮されるスムースさが特徴だったが、パンチはいまひとつ。セダン同様にクロスレシオ化されたとされる6速MTがややワイドレシオだったこともその一因。とはいえ、ハンドリングとフットワークはセダン同様のFRらしい自然でスポーティなテイストが特筆点であった。もちろん、ATモデルも同様だ。

 国産ステーションワゴンが年々減っていき、とくに手頃なサイズのスポーツワゴンはスバル・レヴォーグぐらいになってしまった今だからこそ、アルテッツァ ジータが懐かしくも魅力的に思えてしまう。

 もっとも、2025年9月上旬にカーセンサー、グーネットで検索したところ、ヒットしたのは販売の中心だったATモデルのわずか6~7台と、今となってはかなりレアな存在。いずれも100万円以下の値付けだった。しかし、「直6×6速MT」のアルテッツァ ジータはいったいどこに消えたのだろうか……。


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青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

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フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
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スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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