「すぐ壊れるし……」何千万円も出してガレージで眺めるだけ? スーパーカーは耐久性がないって噂は正しいのかスーパーカー大王が回答! (2/2ページ)

適切なメンテナンスさえ行えば耐久性は高い

 スーパーカーといえば、まずイメージされるのは高性能なパワーユニットだろうか。たしかにどのメーカーの作を見ても、そこにはそれぞれが誇る最新の技術が導入されているが、そのなかには極限の使用状況で最強の耐久性を維持するための技術も含まれている。とくに現代のスーパーカーにおいて、それは重要な開発コンセプトであり「最速でかつ最強のクルマ」こそが、スーパーカーの頂点に位置するモデルであるということの定義になっているのだ。

 現在では、10万km、20万kmといった数字をオドメーターに走行距離を刻んだスーパーカーも珍しくはなく、なかには50万km超えという、これはこれでワールドレコード並みのモデルも存在するというが、これらの多くに共通するのは、やはりその途中で定期的なメンテナンス、あるいはオーバーホールといった作業を受けていることだ。

 つまり、適切なメンテナンスを受ければ、フェラーリであれランボルギーニであれ、その走りは再び本来の魅力を取り戻すわけであり、たとえそれに100万円単位のお金が必要になったとしても、長年所有してきたスーパーカーをこれからも乗り続けられるのならば、裕福なオーナーにとってそれは大した出費とは感じられないのかもしれない。

 世界各国の過酷な環境でテストを繰り返し、さらにはル・マン24時間レースに象徴されるモータースポーツでも鍛え上げられて採用されるスーパーカーの最新技術。それが組み合わさって完成されるプロダクトの耐久性は想像以上に高い。リセールバリューが低下することだけは残念ながら避けられない事実だが、手に入れた1台のスーパーカーを長く、徹底的に乗るということも、これからはひとつのスタイルとなっていくのではないだろうか。それはまた、スーパーカーは耐久性に乏しいという定説を覆す大きな原動力となってくれるに違いない。


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山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

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