この記事をまとめると
■ロジ・テック トーシンの鵜飼社長は94歳にして現役の物流マン
■物流業界に60年以上身を置く鵜飼さんにインタビューを行った
■鵜飼さんは書道や大学での学び直しなどいまなお挑戦を続けている
物流業界の大ベテランにインタビュー
昭和44年の創業以来ずっと物流業界を見つづけているのが、神奈川県川崎市の物流倉庫「ロジ・テック トーシン」の鵜飼史郎社長、御年94歳。物流業界に身を置いて60年近く。業界の隅々までを知り尽くした、まさに物流の生き字引だ。
ロジ・テックトーシンの歴史は、ヤマハのオーディオ製品保管・配送搬入のセッティングからスタートした。その後、多岐にわたる物流業務を展開しながら現在に至る。
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そうした流れのなかで黎明期からずっと物流業界を見つめてきた鵜飼社長にお話を聞くことができたので、その一部を紹介しよう。
最初に驚かされたのは、鵜飼社長の記憶力のよさと、最新のニュースや話題に対する敏感さだ。かなり昔の出来事も「あれは〇〇年のことでしたね」と即座に口にされる機会が本当に多かった。
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そんな鵜飼社長に、物流業界の大きな転換期はいつだったのかを聞いてみた。「大きな転換期としてはふたつの出来事がありました。ひとつは昭和56年にヤマト運輸が宅急便をスタートさせたこと。それともうひとつは海上コンテナが登場したことでしょうね」。
いまでこそ海上コンテナは珍しいものではなくなったが、その登場は物流業界に節目を作るほど重要な出来事だったのだ。
「コンテナが登場したと同時に荷役の流れが一気に変わりました。それまで、港についた荷物は人の力で荷揚げされ、それから配送先ごとに仕わけられる。しかし、コンテナを使うと、荷揚げ作業がなくなり荷物はユーザーに直行します。この流れは大幅に港で働く労働力の削減につながりましたね」。