毎日当たり前に使っている「トイレ」はイザなくなるとパニック! 災害時の強い味方「トイレトラック」がいま大注目だった

この記事をまとめると

■災害が発生するたびに老若男女問わず直面する大きな問題が「トイレ」だ

■トイレ問題の解決のために近年注目されているのが「トイレトラック」だ

■「トイレトラック」は災害時には被災地へ駆けつける「みんなの味方」だった

もしもの災害時に必要なものはいろいろあるが……

 今回は、貨物の運搬、物流や土木工事にともなう残土の輸送など、「ものを運ぶ」トラック本来の用途とは異なるものの、人々の生活に欠かせない、重要な役割を担う特殊なトラックについてリポートしていきたい。

 1995年の阪神・淡路大震災や2011年の東日本大震災、2024年の能登半島地震、直近では南海トラフ巨大地震の発生が危惧され、災害大国とも呼ばれる我が国・日本。それらの災害が発生するたびに老若男女問わず直面する大きな問題が「トイレ」だ。地震や台風などの災害の発生で水道や電気などのライフラインが遮断されれば、どの家庭や施設も、トイレはたちまち利用できなくなる。

 その問題を解決する車両として近年注目されているのが、「いつでも、どこにでも」トイレを開設できる「トイレトラック」だ。大規模災害時に活躍するトラックといえば、ポンプ車やはしご車などの消防車両を真っ先に思い浮かべるだろうが、トイレトラックは人々の生活に直結したもっとも重要かつありがたい災害「救助」車両といえるだろう。

 トイレトラックは、トラックのボディ(荷台)部分にトイレを備えた専用の車両で、水洗の設備や手洗いなどの設備を完備。イベント会場で見かける仮設トイレとは異なり、トイレ自体が自走できるので、いついかなるときでもトイレを設置できる。

 また、仮設トイレと異なるもうひとつのポイントが「水洗」であること。電源も車両からとるため、一般の水洗トイレと同様に、いつでも清潔な状態でトイレが利用できる。さらに、昼夜問わず室内が明るく照らす照明器具や、トイレに特有の「臭い」を逃がす換気扇の完備も嬉しい。

 車両も軽トラックベースから小型トラックをベース、大人数対応の大型車など、架装メーカーからリリースされているトイレトラックのラインアップは意外にも多い。また、トラック一体型の自走式だけでなく、複数の個室トイレと手洗い場を備えた「トイレトレーラー」という車両もある。

 ここで紹介するトイレトラックは、消防車の大手メーカーとして有名な「モリタ」の「トイレカー」だ。「スズキ・キャリイ」ベースの小型トイレカーは、大便器と小便器、手洗い場を1基ずつ装備。「トヨタ・ダイナ」ベースの大型トイレカーは、大便器をセットした個室5つと、大きな手洗い場を装備。出入りするドアも用意されているなど、さまざまな用途と規模に応じた車両をラインアップしている。

 近年の度重なる災害の発生の影響もあり、現在全国各地の自治体などの間で導入が進んでいるこのトイレトラック。モリタでも昨年より問い合わせやオーダーが増加しているという。また、これらトイレトラックを地域で購入するためのクラウドファンディングといった活動も全国的に進められている。

 2024年に発生した能登半島地震でも、これらトイレトラックが全国各地から派遣されたという。平時ではイベント会場などのトイレとして活用し、いざというときには地域の枠を飛び越え被災地へ駆けつける。そんな「みんなの味方」のトイレトラックが日本全国あらゆる地域に数多く普及することを期待したい。

株式会社モリタ
https://www.morita119.jp/


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