【試乗】さすが長年続けているだけある! 新型日産リーフは「EVへの不安感ゼロ」かつ高級感あるクルマに仕上がっていた (2/2ページ)

新世代モーターの制御はジェントルで運転しやすい

 実際にテストコースへと走り出してみる。

 新世代モーターは最高出力218馬力(160kW)、最大トルク355Nmとパワフルで力強く、静かでスムースだが、過剰な加速フィールを演出することなく安心してアクセルを踏み込める。とくに低速域でのパワーマネージメントはジェントルで、市街地でも、また運転ビギナーや高齢者にも適応しやすい特性といえる。

 車体フロアを完全に覆い、フルフラット化したことで高速巡航時には車体のリフトが抑えられ、直進性も高く風切り音も少ない。極めて静かでフラットライドな姿勢が高級車のようでもあり、安心感を高めてくれる。

 面白いのは新開発された調光パノラミックガラスルーフだ。ルーフの大部分をガラスで覆うガラスルーフが他社でも多く採用されており、人気の高いアイテムだというが、一方で夏場の炎天下ではシェードを閉じても室内の温度を高めてしまってエアコン使用頻度を高め、快適性を損ないエネルギー消費面でも課題となっていた。そこで今回、液晶による調光方式を採用し、シェードではなく液晶の濃淡で室内に入る太陽光を制御。ガラス自体も遮熱効果の高い仕様とすることで室内温度を上げずに開放感だけを楽しめることに成功している。

 実際に炎天下でルーフのガラス部分とスチール部分を触り比べ温度の違いを確かめてみたが、ガラス面は熱くて触れないほど。つまり、熱反射を高効率で行っているわけだ。また室内は確かに快適な温度に保たれていた。

 ほかにもgoogleマップと連携して、バッテリーマネージメントを提案してくれる機能や、CHAdeMO対応の充電アダプターに外部給電機能を持たせ、車室内の電源コンセントと合わせてトータル3000Wの電気製品が使えるなど、よりバッテリー機能を充実させている。

 このように、3代目リーフはスタイリングだけでなく、走りの質感や電費、後続距離、充電機能などEVとしてのさまざまな実用面を刷新し、魅力を大幅に高めている。これまでの実績で築かれた信頼性はBEVを選択する上で重要な項目であり、メンテナンスやサービス面の信頼性も日産ブランドとして揺るぎない。

 国産BEVのパイオニアとして、従来以上にEV市場を牽引してくれる存在となることを期待している。


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中谷明彦 NAKAYA AKIHIKO

レーシングドライバー/2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

中谷明彦
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海外巡り
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