この記事をまとめると
■アメリカでは無人運転タクシーが広く普及している
■ほとんど無人で稼働しているが充電や清掃はまだ人が行っている
■無人運転タクシーはまだ交通ルールを完全に把握して運用できてない面がある
アメリカでは無人運転タクシーが普及中
アメリカでは加速度的に大都市にて無人運転タクシーの営業運行がスタートしている。今回訪れたロサンゼルスエリアでも、営業区域こそ限られているものの、無人運転タクシーが街なかを縦横無尽に走りまわっている。
ここでいう自動運転タクシーというものは、車両の運転は原則自動となるものの、緊急時に備えたスタッフが乗車したものを指し、無人運転タクシーとは、緊急対応スタッフも乗車しない、文字どおり、完全無人というなかでタクシーが営業運行されているものを指すこととしている。
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乗り方は簡単で、スマホアプリで配車要請し、アプリにて料金を決済して乗車する流れだ。自宅前など好きな場所まで迎えに来てくれることはなく、最寄りの適当と思われる場所を指定され、そこで乗車することになっているようだ。
筆者がロサンゼルスエリアを訪れた際には、ロサンゼルス国際空港に近いホテルが常宿となっているのだが、そこから徒歩圏の場所に無人タクシーの充電ステーションがある。かなり多くの急速充電器が用意されたその場所は、まだ緊急対応スタッフが乗車していた自動運転タクシー時代のころにできたこともあるのか、車両充電中にスタッフが休憩できるような建物が用意されていた。
waymoの充電ステーション画像はこちら
そして今年(2025年)再び訪れると、自動運転タクシーから無人運転タクシーとなったので、当然ながらそれまで乗車していたスタッフは不要となったのだが、充電ステーションの様子をみると、以前よりもひとが多く活発に動いていた。
様子を見ている限りでは(柵にはりつくよう内部の動きを見るのはセキュリティ上難しかったので)充電のためにやってきた無人運転タクシー車両は、無人運転で指定された充電器のスペースに頭から突っ込んでいたのだが、急速充電器は一般的な有人で行うものなので、充電ケーブルは自動で車両に接続することができず、充電ケーブルをつなぐために新たなスタッフが用意されていたのである。
もちろんケーブルをつなぐだけではなく、タイヤ空気圧の調整や、車両外装の拭き取りや内装のチェック(汚損などの確認?)など車両全体のチェックも行っていた。
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緊急対応スタッフが乗車していたころは、自動運転タクシー車両に乗ってきて、再び乗って出かけていくのでスタッフ向けの駐車場スペースはそこには必要なかったのだが、現状ではスタッフは勤務時間の間は充電ステーション常駐となる。ロサンゼルス地区では通勤に自家用車を使うのが当たり前なのだが、スタッフ用駐車場までは用意されていなかった。なので、緊急措置的のような雰囲気で、充電の邪魔にならないように、敷地内の隅にスタッフの車両は停められていた。
停まっている車両を見ると、少々失礼ないい方かもしれないが、アルバイトレベルのスタッフが乗ることはまずできない高額な新車(外資ブランドが多かった)も目立っていたので、無人運転タクシーのシステムについてもチェックすることができる専門技術をもったひとが対応しているようであった。
非接触充電が普及すればこの施設も完全無人になるのではないかとも考えたが、仮に車両で空気圧異常を感知しても車両自身で空気圧調整を行うのは、自動で空気を充填する新たな機械でも出てこないと無理なので、車内は無人となっても充電ステーションにはひとが常駐することが続きそうに見えた。