共同開発とOEMによりリスクを軽減
OEMとは、(Original Equipment Manufacturer)のことで、委託者の名で製造することをいう。たとえば、自社と同じクルマを、他社の車名で販売するうえで、その生産も請け負うことを指す。
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自動車メーカーの提携により、すべての車種を自社独自でまかなうのではなく、提携関係のある他社の車種を、自社の商品銘柄に加え、より幅広い車種を揃えるのに役立つ。
これによって、販売店はより多くの顧客の志向に対応した商品を扱えるようになる。ことに、日本のように販売店と消費者のつながりが親密な市場では、販売店の利点が生まれる。また、製造する自動車メーカーとしては、生産する工場の稼働率を高められ、大量生産による原価低減に効果を見出すことができる。
バッジエンジニアリングは、同じ車種でありながら、車名を変えるなどによって兄弟車や姉妹車を打ち出すことだ。
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販売店の多チャンネル化が進められた1970年代から、日本で盛んに行われた。だが、現在は販売店系列の一本化が行われるようになり、バッジエンジニアリングの必要性は減っている。そして、OEMを通じ、他社との協力で販売台数を確保する動きが強まっている。
グローバル化により市場の拡大が進んだように見えるが、実際はそれを実行するために人材と投資の拡大が必要で、ひとつ商品の見通しを誤ると、大きな損失になりかねない。したがって、企業間の提携はもちろん、OEMの進展は、不確実性の回避と見ることができる。