トランプ大統領はBEVに反対? 税制控除がなくなり優先レーンも終わりBEVに逆風吹き荒れる (2/2ページ)

カープールレーンの単独乗車走行も廃止

 さらに、追い打ちをかける事態も起きている。南カリフォルニアでは、クルマをドライバーのみが乗車して運転していることが多いため、慢性的にフリーウェイ(高速道路)では渋滞が発生しているのだが、一部路線には複数名乗車車両専用走行レーン(カープールレーン/ご近所で乗り合わせて通勤してほしいということもあり相乗りレーンなどともいわれた)が用意されている。これまでは、BEVなどのクリーンエアビークルであることを示すデカールをリヤバンパーの進行方向右サイドなどに貼れば、この複数名乗車車両専用走行レーンを単独乗車でも通行可能であったのだが、これも2025年10月1日に終了している。

 カリフォルニア州としては「BEVもOK」を2027年まで継続したかったようだが、連邦政府が延長を認めなかったためとの報道もある。

 トランプ大統領はすでに全米の連邦政府庁舎からの充電器の廃止撤去を命じている。こうなると、アメリカのBEV普及は「美しい地球を取り戻す」などとしているひとたちの、良心にのみ頼らなければならなくなってしまいそうである。

 ただし、「BEVやめた」と話を単純に片づけることもできない。3年後の大統領選挙で共和党から民主党へと仮に政権が移れば、当然ながらBEV普及を積極化させるためのさまざまな政策が用意されるのは間違いない。しかも、トランプ政権で停滞したぶんを取り戻すかのごとくその勢いは増すだろう。

 自動車業界としては、現状は現状として捉えるものの、流れが変わってもすぐに対応できるようにしていかなければならず、もちろん消費者も巻き込まれることになるのだが、政治に翻弄される日々が続くことになりそうだ。


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小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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