廃タイヤを原材料にまで戻して再びタイヤとして生まれ変わらせる! ブリヂストンが描くタイヤ水平リサイクルがタイムマシンのようだった (1/2ページ)

この記事をまとめると

■タイヤのリサイクル率は99%ほどと言われている

■ほとんどのタイヤはゴムやリトレッドとして再利用されている

■ブリヂストンはタイヤを原材料に戻す新たな技術を開発した

ますます加速するタイヤのリサイクル

 改めて言うまでもないが、いまどきのクルマに関するマテリアルは、使い終わったら(廃車になったら)リサイクルされるのが当たり前だ。

 鉄は再び鉄として、シートの表皮なども再び繊維として、レアメタルも回収されて再利用される。シートベルトやエアバッグなどの布製品の一部は、バッグなどにも再利用という形で生まれ変わっているので、見たことがある人も多いのではないだろうか。

 クルマの主要部品のひとつであるタイヤも、もちろんリサイクルの対象となっており、そのリサイクル率は驚異の99%! 主なリサイクル方法としては、燃料としての熱リサイクルがもっとも多いようで、そのほかには、素材そのものをリサイクルしたり、海外に輸出しているほか、最近ではリトレッドという、表面を張り替えてまたタイヤとして再利用するサービスも出てきている。ニッチな領域だが、タイヤのトレッドを生かしたサンダルなんてのも販売されていたりする。

 こんなご時世なので、これからさらにクルマに限らずさまざまな分野でリサイクルというコンテンツが注目されていくだろう。

 さて、そんなタイヤのリサイクルに関して最近、ブリヂストンが新たな動きを見せている。特別リサイクルというカテゴリーに明るいわけではないが、ちょっと面白い内容なので、ここで少し紹介したい。

 筆者が足を運んだのは、東京は小平にある「ブリヂストン技術センター」。ここでは、航空機用のタイヤを作っていたり、試作品の開発を行っているほか、「Bridgestone Innovation Gallery」という施設も開設されており、ブリヂストンの歴代製品や、タイヤに関するさまざまな展示を無料で見ることができる。ぜひ1度足を運んでみてほしい。

 なおこの日、我々が案内されたのは、「タイヤの水平リサイクル」についてと銘打った発表会だ。

 タイヤの分野で世界をリードしているブリヂストンは、2050年に「サスティナブルなソリューションカンパニーとして社会価値・顧客価値を持続的に提供する会社へ」なることを目標とし、日々活動している。その目標を目指すコミットメントとして、「Bridgestone E8 Commitment」というスローガンを掲げているのだが、この「E8」には文字どおり、以下8つの「E」を含む。

Energy:カーボンニュートラルなモビリティ社会の実現を支えることにコミットする。

Ecology:持続可能なタイヤとソリューションの普及を通じ、より良い地球環境を将来世代に引き継ぐことにコミットする。

Efficiency:モビリティを支え、オペレーションの生産性を最大化することにコミットする。

Extension:人とモノの移動を止めず、さらにその革新を支えていくことにコミットする。

Economy:モビリティとオペレーションの経済価値を最大化することにコミットする。

Emotion:心動かすモビリティ体験を支えることにコミットする。

Ease:より安心で心地よいモビリティライフを支えることにコミットする。

Empowerment:すべての人が自分らしい毎日を歩める社会づくりにコミットする。

 この過程においてブリヂストンは、タイヤを「創って売る」だけでなく、「使う」「戻す」ということも、進めていかなければならないと考えているそう。

 そこで重要な要素が、先ほどから述べている「リサイクル」、ここでいう「戻す」という領域に繋がる。同社では、「戻す」というカテゴリーに関連する目標として、2026年に再生資源・再生可能資源率を39%に掲げ、2025年にはサスティナブルマテリアルの使用率100%を目指しているというのだ。

 しかし、タイヤを”戻す”とは、いったいどういうことなのだろうか。リトレッドや素材の再利用などはすでに行われているので、いまさら言われても目新しくない。謎は深まるばかりだ。


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WEB CARTOP 井上悠大 INOUE YUTAI

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