カメラによる違いはどこにある?
この画像情報を得るカメラだが、シンプル(低コスト)な単眼レンズとマルチカメラ(ステレオカメラ=単眼レンズより高コスト)による情報収集の2タイプが主に存在する。当然ながら、距離測定の精度でいえば、ステレオタイプのほうが優れている。人間の眼を思い浮かべてもらえばわかりやすいが、同じ目標物を位置が異なるふたつの眼で見るため、視差による距離の測定(基本的には三角測量)が正確に行える。しかし、片側の眼だけによる目標物の認識は、目標物の確認はできるものの距離の測定は不確実なものになってしまう。
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もちろん、単眼レンズでもその後の情報処理プログラムによって距離の算出は可能だが、マルチカメラ(ステレオカメラ)による距離算出は、基本的に瞬時に高精度で行うことができる特徴がある。ただし、得られた多くの情報をリアルタイムで処理する必要があるため、高性能なCPU(セントラル・プロセッシング・ユニット=中央演算処理装置)やGPU(グラフィックス・プロセッシング・ユニット=画像処理用演算装置)が必要となり、単眼レンズ方式より高価なシステムとなってしまう。
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もっとも、単眼レンズを使用する例では、単眼レンズにレーダーを組み合わせて使うシステムもあり、基本的に道路上および周辺の状況確認は単眼レンズで行い、距離測定はレーダーによって行うという、それぞれの長所を組み合わせた使い方の例がある。
カメラによって走行車両の位置確認、前車との距離測定、標識情報などを検知し、ほかの走行デバイスと連動させることで(ブレーキ、アクセル、ステアリング)ドライバーの運転操作を補助(アシスト、支援)する運転支援システムは、ドライバーに運転する楽しさを残しながら、運転疲労の軽減、安全性の引き上げを可能にするシステムとして使い勝手がよく、利便性に富んだものと評価してよいだろう。