一瞬で多くを失う恐ろしい事故が頻発している
まずは、ひとつめのケース。
夜間、高速道路の走行車線を時速80kmで走行していたAさんは、仕事上の知り合いであるBさんのトラックと偶然すれ違った。その瞬間スマホを操作して、登録してあるBさんの電話番号を探した。しかし、なかなか見つからない。そのとき、サービスエリアから本線に合流してきたトレーラーがAさんの前に現れた。それに気づくことができなかったAさんはトレーラーに追突してしまい、その弾みで大型トラックごと高速道路外の斜面に転落。数十秒間スマホに集中してしまった結果、帰らぬ人となってしまったのである。
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※写真はイメージ
そしてふたつめのケース。
関東から関西に向けて深夜の東名高速を下っていたCさんは、疲労のためかなりの睡魔に襲われていた。そんなとき、スマホにSNSの新着通知が届いたという。その内容が気になったCさんは、眠気もあったため嬉々としてホルダーにセットしてあったスマホに手を伸ばす。
そしてスマホのロックを解除していたというわずかな時間のなかで、故障のため路肩部分に停車していた大型トラックにノーブレーキで衝突した。幸い命には別状がなかったものの、車外に出ていた故障車のドライバーが事故の弾みで動いた自車とガードレールの間に挟まれ死亡。Cさんも事故で変形した車体に挟まれ、左足を失うという大きなダメージを負った。
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さらに3つ目のケース。
交通量の少ない、深夜の都市高速を走行していたDさん。対面通行という危険な高速道路でありながら交通量が少なく、そして慣れ親しんだ道であったため、スマホで動画を楽しみながら漫然と走っていた。すると、突然大きな衝撃が。本線上に落ちていたタンスのような落下物に乗り上げてしまい、シートベルトをしていなかったDさんの身体は、助手席側へと飛ばされた。
もちろん、Dさんの大型トラックは制御不能に。そのまま対向車線との区切りに設置されていたワイヤーロープに衝突。幸いにも他車を巻き込むことはなく、Dさん自身も軽傷で済んだ。しかし、会社が所有する大型トラックは廃車になり、運んでいた荷物もすべてが廃棄処分となった。
ルームランプも同様だが、暗い車内でスマホの画面を光らせていると、車内に反射して車両前方の様子が確認しづらくなる。そのため、本線上の落下物に気づくのが遅れたのだ。事故の瞬間はスマホに触れていなかったものの、これも運転中のスマホ利用が事故を誘発した一例であるといえるだろう。
渋滞する高速道路のイメージ画像はこちら※写真はイメージ
自身や他人の命を簡単に奪ってしまう、自動車という便利で危険な文明の利器。そんな自動車に乗る際には、是が非でも運転に集中していただきたい。ここに挙げたながらスマホによる事故は、ほんの一例である。それでも、あなたは運転中にスマホを触りますか? 人生を棒に振ってまで、そのスマホは大切ですか?
渋滞の最後尾にトラックが追突するという事故のニュースは、もはや当たり前のように流れてくる。その最たる原因が運転中のながらスマホであると感じている人は、ごまんといるだろう。それほど危険な行為であることを忘れることなく、ハンドルを握ってほしいと願うばかりである。