レクサスの新型ESと新型RZが日本でお目見え! 素直に惚れ惚れする新世代レクサスの中身とは (2/2ページ)

レクサス渾身のBEVが新型になり次の次元へ

 実際にその室内に乗り込んでみると、駆動用バッテリーが搭載されフロア高が高くなっていることが明確に感じられる。だが、それが必ずしもネガティブなことではなく、高い視点が得られ見晴らしがいいという面ではむしろプラスになっている。それでいながらセダンらしい適度な包まれ感、後席ではさらに足もとの広さも兼ね備える、独特な空間設計になっていることが体感できた。

 そんな新型ESの日本仕様だが、HEVには「ES300h」がなく、2.5リッター直4エンジンを搭載しシステム出力182kWを発する「ES350h」のFF車とAWD車のみを設定。BEVは最高出力165kWのFF車「ES350e」と、システム出力252kWのAWD車「ES500e」を用意することが明らかにされている。

 なお、イルミネーション、音楽、マルチメディア動画、空調、マッサージ機能などを連動させ、すべての乗員にくつろげる空間を提供する「Sensory Concierge(センサリーコンシェルジュ)」(詳細は別記事参照)が設定されるのだが、日本仕様へどのような形で投入されるのか、その詳細はまだ公表されていない。しかし、2026年春頃という日本導入時には、少なくとも上級グレードには設定されると考えてよさそうだ。

 今回のもう1台の目玉であるRZは、2023年3月の国内デビューからわずか2年で大幅改良を受ける。そのなかでもっとも大きな変更点といえるのが、BEVシステムの全面刷新だ。

 駆動用バッテリーの総電力量は従来の71.4kWhから74.69〜76.96kWhに拡大され、航続距離は494〜599km(WLTCモード)から582〜733km(開発中の社内測定値)に改善。モーターのシステム出力・トルクも、従来はフロントが150kW・266Nm、リヤが80kW・169Nmだったところ、前後とも167kW・268.6Nmへと大幅にアップする。

 さらに新グレードとして、スポーティな「F SPORT」を追加。レクサス初採用のステアバイワイヤと、「インタラクティブマニュアルドライブ」(IMD)を、この「F SPORT」に搭載する。

 角形ステアリングが特徴的なステアバイワイヤは、車速連動型の可変ギヤレシオ機構と合わせ、左右操舵角を最大約200度に低減。交差点の左折でももち替えを不要とした。

「インタラクティブマニュアルドライブ」(IMD)は、BEVながらエンジンとDCTが搭載されているかのようなサウンドとシフト操作、加減速と変速ショックを実現するというもの。こちらも詳細は別記事を参照いただきたいが、操る楽しさの向上のみならず、居眠り運転の防止にも寄与するのを体感できた。

 2025年秋以降、世界各地で発売される予定となっている新型RZ。そのなかでもとりわけ新技術が満載の「F SPORT」が、公道でどのような走りを見せてくれるのか、期待せずにはいられない。


この記事の画像ギャラリー

遠藤正賢 ENDO MASAKATSU

自動車・業界ジャーナリスト/編集

愛車
ホンダS2000(2003年式)
趣味
ゲーム
好きな有名人
-

新着情報