みんなアメ車といえば大排気量V8のイメージをもっているけど……そもそもなんでアメ車=V8なのか? (2/2ページ)

アメリカでの商売のためにトヨタもV8を開発

 結局、ピックアップトラックとしてトヨタは「タンドラ」、日産は「タイタン」を仕立てて、さらに技術的に連動するフルサイズSUVをラインアップするに至る。

 ただし、こうしたアメリカ人のV8信仰にも変化が訪れている。これは、フォードFシリーズの影響だ。環境性能や燃費に対する配慮から、アメリカンフルサイズピックアップトラックの王道であるFシリーズは、乗用と商用を兼用する人が多いF150にV6ターボを採用した。これが、アメリカ人のマインドチェンジを誘導したように思う。

 とはいえ、「アメ車=V8」を貫くことがビジネスとして成功している事例もある。それが、全米最大規模のモータースポーツ「NASCAR」だ。トップカテゴリーのカップシリーズには現在、GMシボレー、フォード、そしてトヨタがエンジン供給を行っているが、NASCARのレギュレーションはOHV(オーバーヘッドバルブ)のV8だ。

 NASCARは事業戦略として量産車と連携した技術開発やマーケティングを重んじているが、トヨタは量産車にOHV・V8が存在しない。それを「カムリ」の外装を模したNASCAR共通プラットフォームのレーシングマシンに搭載してレースに参戦しているのだ。

 筆者は一昨年、愛知県内のトヨタ本社関連施設でNASCAR用のOHV・V8エンジンについて詳しく拝見する機会があった。その際、トヨタ関係者は「郷に入れば郷に従え」として、「アメ車=V8」信仰の根深さを強調していた。

 なぜ、「アメ車=V8」なのか。それは、V8がアメリカのカルチャーとして根付いているからだと、筆者は思う。


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桃田健史 MOMOTA KENJI

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